GR DIGITALインプレッション

 GR DIGITALを買ってしまいました。それ以来、常に持ち歩いて、ちょっとでも面白いかもと思ったものは撮影してみて、それをflickrで公開してみてと、すっかり写真にはまってしまったようであります。

 実は以前にもカメラを持ち歩こうとしたことがあったのです。その時のカメラというのはミノルタのSR-T101。古い一眼レフで、55mmのレンズを付けて、写りは悪くないのですが、しかし重い。加えて現像、スキャニングの手間もあるということから、いつしか持ち歩かなくなってしまいました。

 この点、デジタルカメラというのは非常に有利であると思われます。小型軽量で、写りも悪くないし、コンピュータにデータを写すのもすぐだしと至れり尽くせりです。さてそんなGR DIGITALですが、使ってみての感想となるといったいどういう感じなのでありましょうか。

GR DIGITALを使ってみての感想

 私がGR DIGITALを買うにあたって一番不安であったのはなにかというと、28mm(換算)という画角に馴染めるかということでした。私はSR-T101では準標準レンズの55mmを使っていて、この標準レンズの画角というのに馴染んでいたものですから、28mmという広角は少々苦手であったのです。なにが苦手であるかといえば、とにかく広すぎる撮影範囲でしょう。広く撮れるのは広角の優位であるのは確かですが、反面不利にも働きます。対象をしぼって撮ろうと思えば寄るほかなく、しかしいつでもよれるとは限りません。いらないものが入り込む可能性もあがるし、私には使いにくい画角だなあというように思っていたのです。それと、広角特有の歪み。GR DIGITALのレンズは非常に優秀で、いやな歪みはほぼ皆無に等しいのですが、けれど広角レンズ特有の倒れ込みなんかは当然あるわけで、被写体によってはそれを消しきれない。苦手だなあと思います。

 けれど、GR DIGITALでいろいろ撮ってみて、写す対象との関わりかたが50mmと28mmでは違うのだということに気付いてきました。50mmは目の前にあるものを見たままに切り取ろうという感触が強く、望遠になると対象に肉薄しようという感覚が強くなってきて、では広角はというと、その時感じている印象も写し込もうという、そういう違いがあるのだと思います。50mmだと、注視している対象を撮れる、まるですぐ側に対象があるかのような写真が撮れる、ですが撮りたい範囲が狭まるために、肌で感じるような場の印象を撮るのは難しいかも知れない。ところが広角だと、そうしたものが撮りやすい。本当にスタンスが違うのだと思いました。

GR DIGITALのセッティング

 私はどうもオートが嫌いなようです。露出こそはオートですが、基本は-0.3EV。デジタルカメラがそうなのか、どうも明るめ明るめに撮ろうとする傾向があるようで、だからなんだかオーバー気味の写真が多いような気がしないですか? たいして銀塩では少しアンダー目の方が好まれるようで、私もその例に漏れず、弱アンダーをベースにしています。

 露出に関してはデジタルカメラは便利ですな。なんといってもモニターがあるから、撮っているその時に出来上がりの露出を確認できる。といってもGR DIGITALのモニターは日中などには見にくくて、だから私は液晶シェードも外部ファインダーも付けているのですが、それでもやっぱり万全ではなく、日中の露出はわかりにくい。苦手です。このへんは、ヒストグラムを見て調整すべきなのかも知れません。こういうヒストグラムを表示できるなどという点は、やっぱりデジタルカメラならではだと思います。

 ISOは可能な限り64にしています。どうも私はISOがオートで動くのが気にくわなくて、なんかすごく半端なISO値が表示されていることがありますが、どうも馴染めなくて、だから私はISOに関しては絶対オートにしない。基本は64。できる限り200以内に収めるようにしています。

 そしてホワイトバランス。昨日まではオートでした。ですが、これで撮ってみればわかるのですが、結構優秀で白を白に撮ろうとがんばってくれますね。で、こうやってできた写真というのが実に面白くない。光源の違いによる色温度の変化というのがあらわれなくて、なんかおとなしくきれいに撮れましたよ、というだけの、非常に癖のない仕上がりになってしまいます。

 flickrでは他の人が撮った写真も見ることができるのですが、フィルムカメラで撮ってる人なんてのはすごくビビッドな写りをしていて、こういうビビッドさはオートホワイトバランスでは出ないんじゃないかというように思って、特にそれは電灯下などで撮ったときに顕著であると思います。あんまりに赤く写ってもいやらしいですが、あんまりに補正されすぎて真っ白に写るのもつまらない。その合間にある、程々の塩梅というのをつかんでやるのが印象的な写真を写すコツなんではないかというように思います。

まとめ

 自動は露出とフォーカスくらいかなあ。露出はなんのかんのいっていじっちゃうけど、フォーカスだけはマニュアルよりもカメラに任せたほうがいいように思います。


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公開日:2006.06.03
最終更新日:2006.06.03
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