シリーズ iBook G4 ららら

1,000曲ほど読み込ませてみた

 iPod miniは4GBハードディスク内蔵で1,000曲持ち歩けるとはアップルの談。じゃあ実際のところはどうなんだろうと、1,000曲ほど読み込ませてみることにしました。

目標は曲数ではなかった

 CDを読み込ませるといっても、曲数の限界に挑戦とかそういうのが趣旨ではなく、iPod miniを持ったら、このへんの曲は持ち歩いて聴きたいなという範囲をしぼって、優先的に読み込ませるのが目的なので、以前ポータブルCDで聴いてた曲や、もちろん最近にも聴いている曲、好きな曲あたりを順々に選び出していきました。

 一番最初に読み込ませたのは、ギターが入っているCDでした。ジャンルは問わずなので、クラシックからラテンからジャズからロックからメタルから、なんでもありみたいな様相で、でもこれなどはまだたいしたことではなかったのです。

 次いで読み込ませようと思ったのは、フランス語や中国語などの、主に語学の関連から買い集めてたもの。いや、語学の云々というのは口実で、フレンチポップスやチャイニーズポップスがなかなか悪くないんです、好きなんですね。結構あったみたいです。ここにもポップからロックからパンクからいろいろなジャンルのものがありました。

 実はこのあたりで気付いていたんですが、1,000曲、4GBというのは少ないです。だって現時点で3GBを越えてしまっていたのですから。

 よく聴いてもちろん今も好きなCDを読み込ませていきました。ここはジャズが中心、エンヤやピアソラなんかも加わります。

 以上。こうして読み込んでみて、今の状態を見てみましょう。こんな感じになりました。

980曲読み込ませたiTunes
こんな感じ。

 980曲を読み込んで、3.74GBほどディスクを消費しています。アップルの4GBで1,000曲という目安は非常に妥当であると驚いていたのですが、それ以上に驚いたのが、1,000曲というのは少ないということです。

 こうして実際に読み込んでみるまで、1,000曲というのはかなりの曲数だと思っていました。CDにして100枚くらい。自分の、常に待機させておきたいものくらいなら、余裕でおさまるくらいの量と思っていました。とんでもない。予測はまったく外れて、基本的なところだけを押さえた現時点でもう容量の壁に迫っている状態です。しかも、自分の本当にやりたかったこと、サントラやシングルに埋もれている普段聴きにくい曲を読み込んでプレイリストにまとめ、本当に自分の好きなものをひとまとめに聴けるようにしたかったんですが、これができません。というのも、今まで読み込んできたのはアルバム単位で聴いてきたもので、アルバムとしては特に聴きたくないけれど、その中にある一曲だけが名曲みたいなものは、まだ読み込めていないのです。

 多分、それを全部読み込ませると、4GBどころではないでしょう。

iPod miniは中途半端なのか?

 僕のように、もとよりたくさんのCDを所有していて、しかもそれらを結構まんべんなく聴くような人間には、iPod miniは中途半端であるといわざるを得ないでしょう。もしかしたらiPod 15GBモデルでぎりぎりかも知れない。そんな感触があります(だって、今回はCDの棚にして、一列ちょっとしか読み込んでない)。ピアノ曲を全部入れれば、トータルで8GBを越えるでしょう。古楽を入れれば10GBを越えるでしょう。古典、ロマン派はあんまり聴かないから入れないとしても、この上ゲームのサントラやらなんやら瑣末なものまで入れていくと20GBオーバーも非現実的ではありません。

 最近はあんまりCDを買わなくなってきているけれども、本当に買わないようになったかといえばそういうわけではなく、数枚単位で増やしていっています。つまり、これら将来の数枚を読み込むにはすでにiPod miniでは厳しいのです。だからといって、1,000曲まるまる聴くわけじゃないから、その時々で出し入れすればいいってもんじゃない。そんなことするくらいなら、iPodなんかいらんですよ

 アップルの提唱して、世の中がこんな音楽の楽しみがあったのかと驚いたのは、ひとえにひとつのガジェットに聴きたい音楽、聴く可能性のある音楽を待機させておいて、いついかなる状況下にも、まるで自宅のCDラックから聴きたい曲を選ぶみたいにして曲を選べるという楽しみでしょう。なのだから、iPodに入れる入れない、入る入らないで迷うようでは、その楽しみをすでに失っていることになってしまいます。

 以前ポータブルCDを持ち歩いていた頃は、十枚入るCDキャリーにCDを待機させておいて、時々には入れ替えるのですがそれが面倒で、結局一部の曲をヘビーローテーションしているという状態でした。iPodならそういうことはなくなって、全曲をランダム再生するのも(真のBGMのカタログ効果が得られるのですよ)、その時々の気分に応じて、めったに聴かないような曲を引っ張り出したい要請にも応えられる。それができないでは、iPodの楽しみはないのです。

iPodとiPod miniの区分

 おそらく、ここにiPodとiPod miniの違いがあるのでしょう。iPod miniはライトユーザ向けに、これまでのポータブルmp3プレーヤーを置き換え、また小型化されたことで携帯が楽になり、スポーツの途中に音楽を聴きたいなどの需要に応えるものなのでしょう。

 だから僕のようなコアユーザは、iPodに10,000曲入れて歩くべきなのかも知れません。外でクラシックを聴く気はさらさら無いので、せめて15GB、20GBくらいを持つべきなのかも知れません。

 さて、どうしたものか。ここは悩みどころですね。悩みどころですよ。

iBook G4とCDの関係

 iBook G4には大変な弱点がありました。それは、8cm CDを読めないということ。スロットローディングが8cm CDに対応していないのです。

 スロットローディングでも8cm CDを使える機械があるのは知っていたので、すっかり使えるものと思っていたのです。ですがいまいち自信がない、もしiBook G4が8cm CDに対応していないのに突っ込んでしまったら、とり出す術がありません。だから、こういうときはヘルプを見るにかぎると思って、Macヘルプに助けを求めたのです。

 Macヘルプを調べてみれば、光学式ドライブと互換性があるディスクという名前のトピックが見つかりました。ちょっと引用してみましょう。

光学式ドライブと互換性があるディスク

アップルのスロットローディング方式の光学式ドライブは、12 cm の円形ディスクにのみ対応しています。形状が円形でない規格外のディスクは、アップルの光学式ドライブでは使用できません。規格外のディスクについて詳しくは、AppleCare サポート(www.apple.co.jp/support)の Tech Info Library で「標準外形状ディスク」を検索してみてください。

警告:規格外のディスクを光学式ドライブに挿入すると、ドライブが破損することがあります。

 これを見ると、8cm CDには対応していないみたいですね。でも標準外形状ディスクに対応していないだけで、規格に応じたものなら大丈夫なようにも読めます。なので、ヘルプのいう通り、TILで「標準外形状ディスク」をキーワードにして検索してみることにしました。

 そうすると見つかるのが「Macintosh: CD または DVD ドライブでの標準外形状ディスクの使用について」というものです。これを見ると、標準ディスクというのは12cmと8cmのことをいうみたいです。でも8cmディスクが使えないのもあるみたいです。ちょっと引用しときましょう。

注:

  1. 製品説明の「(Summer 2000) 」および「(Summer 2001)」の“Summer”は北半球の夏を指しています。
  2. 以下の機種では 80 mm (8 cm) の丸いディスクは使用できません。
    • PowerBook G4 (Gigabit Ethernet)
    • PowerBook G4 (DVI)
    • PowerBook G4 (1GHz/867MHz)
    • PowerBook G4 (12-inch)
    • PowerBook G4 (17-inch)
    • PowerBook G4 (12-inch DVI)
    • PowerBook G4 (15-inch FW 800)
    • PowerBook G4 (17-inch 1.33GHz)

 ここにiBookが書かれていないのが問題なんですよね。PowerBook G4で使えないということがiBook G4でも使えないということになるのか、あるいはPowerBook G4では使えないがiBook G4では使えるのか。

 試してみました

 駄目でした!

 結論をいいますと、iBook G4では8cm CDは使えません。火箸で取り出しましたよ。CDに傷がついたらどうしようか、ドライブが壊れたらどうしようかとはらはらしました。その後CDを読み込んだ後に、どこかに傷ができてないかとか、目を皿みたいにして血眼で検品しましたよ。

 大丈夫だったから、こうして穏やかに更新なんてしてるんですが、もっとアップルは明示的にヘルプに12cmしか使えない、8cmは駄目だと書いて欲しい。TILを見ろといって、TILを見ればもっと迷うようなのは一番いけない。アップルは確かに商品のラインナップもいろいろあって大変なんだろうけど、こういうちょっとしたところでいつも損をしている。商品のデザインは非常に良くできていて、ものすごく細かい気遣いがあるというのに、こういうサポートだとかにそれが欠けることがあって、僕はそれが悲しいのだ。

 まあ、いいけど。無事だったから。取り出せない可能性も考えていたから、自己責任だから。でもすべてのユーザが僕のように従順ではないので、アップルは気を引き締めなあかん。いや、ほんまあかんよ。

8cm CDはどうしたのか?

 8cm CDみたいに、今までのポータブルCDで聴きにくかったものほど、iPodには入れたい。なので、外付けのCD-ROMドライブを持ち出してきて、USBで接続。無事読み込ませることができました。

 いや、こういういろんな小物があるというのは便利であるなと実感しました。でもこれがなかったらどうしたろう。iBook SEにマウントしたCDって共有できたかなあ。多分無理ですね。だから8cm CDをたくさん持ってるiBook G4(及びPowerBook G4)ユーザは気をつけないといけません。


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公開日:2004.02.02
最終更新日:2004.03.25
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