シリーズ iBook G4 ららら

IRCに挑戦

 私がお手伝いしている海外サイトのオーナーがですね、メールをくれたんですね。十二日火曜の二十時から二十一時にかけてイタリアグループがIRCを使ったオンライン・フォーラムを開くから、よければ参加しないかと。ちなみに時間にはちょっと気になる文言が付いてありまして、その文言というのはGMTだったのですが、つまり世界標準時の二十時からスタート。えーっと、日本は+900だから……、午前四時……。つらっ!

IRCについて調べてみた

 こういっちゃあなんですが、私はIRCというのがなんであるか知りませんで、なので慌てて調べてみたのでした。

 Googleで調べてみれば、いくつか参考になりそうなサイトが見つかります。IRCというのはInternet Relay Chatのことで、平たくいえばインターネットで行うチャットシステムですね。複数のサーバで構成されたネットワーク上で、IRC用のアプリケーションを使って行われるチャットは、これまでのWebチャットが持っていたレスポンスの問題なんかが改善されて、ものすごく快調とのこと。おお、ではかつて私が没頭したNIFTY-Serveでのチャットの雰囲気が再び! しかもワールドワイドで!? ちょっと興奮する出来事でありました。

 IRCについてまとめられたサイトはいくつかありますが、とりわけ私が参照したのは以下のものでした。

 概略をIRC普及委員会でおさえ、IRC users in Japon Home Pageで詳しく学び、ゲーマーのためのIRCで実際を知るというところでしょうか。とにかくこの三サイトを見れば、導入に困ることはないと思います。

ソフトウェアを選ぶ

 IRCに参加するには、専用のソフトが必要です。なので、まずはソフト選びから開始しました。

 私が今回参加するのはイタリア人のチャットですから、アクセント記号の付いたアルファベットが読めるほうがいいだろうな。イタリア語ならアクセント記号は付かないか。けれどいずれフランス語のチャットにも参加するかも知れないから、やっぱり他言語対応するのがあるといいなあ。そんな考えから、まずはヨーロッパ諸語の表示に対応可能のアプリケーションを探そうと思ったのでした。

 なお、私の使っているのはOS Xであるので、ネイティブ対応するCocoaアプリが理想です。Cocoaアプリなら入力中のスペルチェックも使えるし、慣れない外国語を書くには力強い助けとなります。

 さっき紹介したサイトにもIRC用ソフトウェアの紹介はありますが、やっぱりMacintoshならアップルということで、アップルの紹介しているインターネット関連ソフトウェアを探してみて、けれどピンとくるものがなかったから、Appleに移動してEmail & Chatカテゴリーを見てみました。そんな風にして最初に選んだのは、macteens Chatでした。けれど、残念なことに、このソフトはmacteens以外のIRCサーバー群には接続できないみたいだったんですね。少なくとも私にはその方法を見付けられなかったのですね。なので、このソフトは使用しないと決定。途方に暮れた私は、もう一度IRC普及委員会に立ち返り、紹介されているソフトでOS Xに対応するものを使ってみようと思ったのでした。

 そうして選ばれたのが、IRcatでした。IRcatは現在Cocoaアプリ化が進められている最中のようでして、まさにIRC参加のお誘いを受けた四月十一日に最新の2.0b3バイナリがリリースされたところであったのでした。

 素晴らしい。これは天啓かも知れません。とのことで、早速ダウンロード。細かなところ(ショートカットとかね)が標準的でなかったりして戸惑いましたが、普段の利用には問題なく、むしろ使い勝手はよいです。複数のサーバ群にも接続可能で、複数のチャンネル掛け持ちもでき、参加しているチャンネル以外の話題もちゃんと表示してくれるので、突然別のチャンネルが盛り上がっても見逃すという心配はなさそうです。

 そして、なにが一番素晴らしいといっても、文字のエンコードとしてUTF-8を選べるところ。これが使えれば、とりあえずの表示は大丈夫そう。

 これはいける! と直感しました。

サーバー群に接続

 使用するソフトをIRcatと決めて、じゃあ早速サーバーに接続してみましょう。接続先は決まっていて、イタリアグループのチャットが行われるirc.freenode.netです。サーバー設定を開き、irc.freenode.netに接続する設定を作成するのですが、その間使い方で迷うようなことはありませんでした。わからないことがあったらヘルプを読み、そして先ほど紹介のサイトも参照し、接続完了。無事、指定のチャンネルまでたどり着くことができました。

 けどね、誰もいないんですよね。チャンネルが消滅しないようにおさえているBotがいるだけで、閑散としていて寂しくて、テストとして日本語やアクセント付きのアルファベットを打ってみて、ちゃんと表示されることも確認。けれど、自分だけが確認できても仕方がありません。実際に話されている場所を探してみないと駄目だと思いました。

 けど、初心者にはどんなチャンネルがあるかなんてわからんのですよね。だから、Googleで、freenode.netとCanal(海外ではチャンネルのことをこう表記するらしい)をキーワードにざーっと調べて、#UNIXMEXICOやら#fr.wikipediaやらを見付け次第参加してみて、チャットの様子を観察。そうして、UTF-8が実際のチャットで用いられていること、そしてアクセント記号付きのアルファベットが表示できることがわかったのでした。

 ここまでわかったところで、じゃあせっかく環境が揃ったのだから、日本語のやりとりされているIRCサーバ群にもいってみようと思って、IRCnetに接続。けれど、やっぱりチャンネルがわからないという悲しさ。%IRC普及委員会や#IRC談話室にいってみて、けれど発言も泣くという悲しい状況に直面しながら、私は目的であるイタリアグループのチャット開始時刻まで待つのでありました。

イタリアグループのチャット

 待つといっても、ただ座って待ったわけではありません。布団中で寝ながら待ったのでした。しかし夜中の三時半に起き出すわけですが、普段寝ぼすけの私にそれが可能かという問題があります。でも、今日こそはがんばりたい! という思いをバネにして無理に起きたのが午前三時四十五分。コンピュータを起動し、ソフトを開いて、まさにチャットが行われるチャンネルに参加したのでした。

 しかし、誰もおらんとはどういうことじゃー!

 仕方がないのでIRCに関する情報を読んで勉強。そんなことしているうちにだんだん人が集まりはじめ、私を誘ってくれたフランス友人もきたので挨拶。返事が返ってきて、ここにはじめて私の初IRC体験が成立したのでありました。

 そしてその後は沈黙。いや、多少は話したのですよ。けど、やりとりされてるのがイタリア語というのは正直厳しいです。多少はわかります。けれどちょっとしかわからんのです。話題の中心は音楽だから見覚えのある単語も出はしますが、単語がわかれば話がわかるというわけでもなく、けれど途中で抜けるのもしゃくだから、必死で読んでた。参加して、話題をかき乱すと申し訳ないからROMに徹しました。けど、じゃあ楽しくなかったのかといわれればそうではなく、この体験で確かに得られたものというのもあったのですね。ええ、実りのある数時間でありました。

 六時前になってもうすっかり明るくなって、私も退出しようと挨拶したら、みんなが挨拶を返してくれました。私が日本人であること、及びそのサイトでの役割は最初にいってあったので、理解してくれてたのだと思います。感謝の言葉を返して、接続を切ったのでした。

 ああ、やっぱりチャットは楽しいものですね。自分の居場所のあるチャットってのはいいもんだと思いました。

その後

 イタリアグループとのチャットが終わったからといって、IRCをやめるのももったいない。ということで、私、時間の許す限り、コンピュータの前に座っている間くらいは接続すると決めました。

 irc.freenode.netに#kototoneというチャンネルを開いているのがいたら、まず私と思っていただいて構いません。よければ話しかけてやってください。きっと喜びます。

 あ、それと、おすすめのチャンネルがあったら教えてくださいな。きっと喜びます。


<   >

わたしの愛した機械へ トップページに戻る

公開日:2005.04.13
最終更新日:2005.04.17
webmaster@kototone.jp
Creative Commons License
こととねは、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示 - 継承 2.1 日本)の下でライセンスされています。