ゲームメーカーとゲームの中古品を扱うショップ間で、中古売買の是非を問う係争が続いている。現状、中古販売の差し止めを求めるメーカー側の旗色が悪く、依然ゲームソフトは中古市場に並んでいる。
中古業者の営業活動のためにソフト売上本数が目減りし、本来メーカーが受け取るべき利益が還元されない。利潤が上がらないばかりか、ものによっては採算割れさえしてしまう。メーカー側の主張するこれらの問題は、正直なところ理解できる。むしろ一ユーザーとしては、ゲームソフトを出来るかぎり中古で買わないようにしようとさえ思っている。これは、資本を投下しゲームを製作したデベロッパーやメーカーに、利益を還元したいと、自分自身考えているためだ。
そもそも中古品を好まないという性質が自分にはある。潔癖というわけではない。出来れば新しい商品を、出来るかぎりよい状態で買いたいという意識は、誰にでもあるだろう。おそらくその意識が、人よりも少々強いだけだ。だが、決して中古品を買うことを躊躇しているわけでもない。
中古で購入したゲームソフトが二本ある。そのどちらもが、発売日をはるかに過ぎてから購入したもの。欲しいと思ったときには、すでに市場から消えていた類いのものだ。幸い中古品には恵まれているのか、探しはじめた一件目でどちらも手に入れることが出来た。プレイしたいと思いながら、手に入らないと思っていたソフト。これが手に入ったときの喜びは、なにものにも替えられないものがあるだろう。
メーカー側の主張は理解するものの、同意はできないというのが実情だ。もし中古販売を差し止めるならば、過去のソフトの流通を保証してもらわなければ、話が合わない。過去のソフトを、いつでも購入できる態勢が整ってはじめて、メーカーの主張に同意できようというものだ。しかし、その態勢が現実となる日は来ないだろう。同様に、中古ソフトが消え去ることもないに違いない。