鉄拳4

○より面白くなってはいるのは確か、じゃあ僕が老いたか……

【タイトル】 鉄拳4
【発売元】  ナムコ
【ジャンル】 FTG
【価格】   2002.3.28 発売 \6,800
【ハード】  プレイステーション2


 新作リリースの度に、新たな改良、変更が加えられる鉄拳。今回の変更点は無限フィールド廃止とアンジュレーション追加。だがそれでもなお、鉄拳らしさが失われていないのはさすがだ。細部の作り込みに関しても文句はなしと、鉄拳ファン、格ゲー好きならなんの心配もなしに購入することができるだろう。新参のキャラクターも、過去シリーズに類を見なかった個性が際立っていて、老舗ナムコの面目躍如といったところ。消えたキャラクターに愛着のある人は複雑だろうが、僕はこれで正常の深化と思う。

 壁の追加はよかった。壁による追加ダメージが、緊張感とテンポ感を促進している。けれど、地形の高低差に関しては、もう少し強調されてもよかったかも知れない。水に入ろうと低所に置かれようと差がないのは、ちょっともったいないだろう。

 残念ながら、昔ほどは熱くなれない鉄拳。だけど、鉄拳フォースがパワーアップして復活したのは、素直に嬉しかったな。

以上400文字でした。


 以下、無責任な感想をいくつか。

良かった点

  1. 凌暁雨健在

     性懲りもなくわたくしは凌暁雨小姐をメインに使っておるのですが、彼女は実によくなりました。

     鳳凰の構えや背向けから派生する技が増えたことによって、これまで以上にトリッキーさが増したのもそうなら、一撃の重さが魅力の架推掌へ派生する技が増えたのもそう。持ち味の技の出の速さに威力が加わって、かなり強化されたと感じますとも。リーチは短いものの飛び込み系の技が多いので、中長距離の攻防において、かなりの優位があります。

     他に強化されたといえば、雷武龍もよくなりました。なにがよくなったといっても、各種構えへ移行する技が増えたこと。こちらもよりトリッキーさを強めました。

     しかし、僕はトリッキーなキャラが好きなようですね。

  2. 新キャラ、かなり面白そう

     今回の新キャラは、ボクサーのスティーブ・フォックスとバーリトゥーダーのクレイグ・マードック。加えて、風間仁も全くの新キャラといってもよい変わりよう。この三人が、非常に面白そうなのですよ。

    スティーブ

     スティーブはボクサーなので、基本的にキックが使えません。代わりに、その不利を補ってあまりある多才なパンチを装備しています。ダッキングやスウェーで相手を翻弄し、スピード感のあるコンビネーションで攻めるという面白さがある。ただ、コマンドは少し難し目なので、僕は買っちゃいましたね、鉄拳4スティック。けれど、スティーブはまだほとんど手を出していません。コマンドを覚えられないんです……

     ところで、技がというかなんというか、かなり『はじめの一歩』くさいキャラであります。

    風間仁

     風間仁は、近接での攻防に長けた、正統的空手家に変化しました。技の出も速く、一撃一撃が重い。この、ストイックさが魅力ですよ。コマンドは比較的簡単なので、結構使いやすいところもよいですよ。でも、中長距離になれた僕には、少々近接の間合いが難しい。精進が必要ですね。

  3. 鉄拳フォース、バージョンアップ

     鉄拳フォースがバージョンアップして、より面白く、より戦いやすくなりました。鉄拳3での鉄拳フォースとは違い、勝手に手近な鉄拳衆がロックオンされて訳分からなくなるということが基本的にありません。けれど、囲まれると圧倒的に不利になるというところは前作通り? 今回は横移動が簡単にできるのでまだいいとはいえ、鉄拳衆は決して弱いやつばかりではないので、難易度は比較的高めになっています。

     バードウォッチングをしている鉄拳衆がいるなど、ナムコならではの遊び心も楽しい。加えてエンドテロップで、倒した鉄拳衆すべてが決め技付きで紹介されるところに驚愕。いやあ、面白いですよ。お勧めです。

  4. ジュリア・チャン、微妙に強化

     技の強化に加え、今回のジュリアは眼鏡装備! だったらなんだ、それがどうしたってんだ。

     すいませんでした。


ちょっと困った点

  1. アンジュレーションが控えめ

     せっかく追加されたステージの高低差なのに、意外とプレイにおいて反映されないのは驚きでした。

     普通に戦っているくらいでは、高低差により生じる有利不利というのは感じられません。別に技がすかるというわけでもなければ、威力に差が出るようにも思えないので、非常に無頓着に戦うことができるのですよ。ダウン攻撃に影響があるといっても、なんとかなる範囲といえますから。

     だから、もうちょっとくらい高低差による有利不利が出てもよかったんじゃないかなあ、と思うのです。

 こうして振り返ってみても、意外と不満が出てこないというのが鉄拳のすごいところでしょう。いやあ、やっぱり名作だと思いますよ。そつなく仕上がっていますもの。けれど、その反面、けた外れということはなくなったかな、と思うのです。想定範囲にとどまっているといえば失礼ですが、予想外の面白さ、楽しさというのが出づらくなったところに、格闘ゲームの低迷があるのではないかと思う昨今です。

 でも、これだけのクオリティがあるんだから、低迷なんて思うのは贅沢極まりない罰当たりな所業です。


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公開日:2002.05.27
最終更新日:2002.05.27
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