なぜ日本では、支払いのときに、これからいくら出すのかをレジに知らせるのか?

 分かっています。この質問の形は無粋です。でも、説明は巧みですから。具体的になるよう努めましょう。あなたはコンビニにいると想像してください。あなたの前の客が、缶コーヒー、ミネラルウォーター、あるいは缶ビールを持っていました。支払うときに、彼女は硬貨か紙幣を出します。財布からお金を出しながら、ささやくように知らせます。2円出します。8円出します。11円出します。

 なぜこのような詳しい説明をするのでしょうか? 誰のために?

 レジ係のためです。彼が、どれだけの小銭をレシートといっしょに彼女に返すかを決めさせるためです。そこでもう一度:なぜ? 彼女が間違いなく、可能なかぎり端数の少ない小銭を受け取れるようにです。

 例をあげます。あなたのお弁当が490円、税込みで514円だとします。もしあなたが五百円と十円硬貨で支払うと、あなたは6円のおつりを返してもらい、それを受け取ることになります。

 でももし、あなたが千円札で払うとしたら、あなたは486円のおつりを返してもらうことになります。この場合、ふたつの可能性が出てきます。ひとつは、あなたは、そのままおつりを受け取り、あなたの財布はいっぱいになります。あるいは反対に、あなたは、申告しながら14円か15円を加える。あなたはレシートだけか一枚の硬貨を受け取ることになるでしょう。それも待つことなしに。

 これはけちくさいわけではありません。そしてこうしたことが日常生活を合理的に動かしていくのです。

 反証があがるまでは...

(初出:Allons au Japon!オリジナル:フランス語)


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公開日:2000.08.28
最終更新日:2001.09.02
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