風邪をひいたと思ったら

 どうも熱っぽいような気がする。テレビを見ていてふと気がついた。

 こういってはなんだが、僕は自分の体調にはかなり気を使っていない。日々、規則正しい生活を送るよう気を配ってはいるが、実際にはかなり行き届かず、寝る時間も遅れがち。人に指摘されるまでコートの脱ぎ着、衣替えにも無頓着といった具合で、暑さ寒さの変化にも相当大雑把にしか対処しない。

 そういうたちなので、自分の体調の変化に気付くのもいつも遅れがちだ。自律神経失調気味で、簡単に熱が出た子ども時代のせいで、微熱に耐性があるのも原因かも知れない。とにかく、かなり悪くならないと気がつかない。

 身体の調子が悪いな、集中力が落ちているなと思ってもほったらかし。どうにもおかしいと思って熱を計ると三十八度台だったりしてびっくりする。そうなるとさすがに消耗しきっているので、身体を動かすことも億劫で、病院にいく気もしない。治りかけのだらだら微熱が続くころにようやく医者にかかるという。まったくの悪循環ではないか。

 身体もだるいような気がする。今回は早く気付いてよかったと、珍しく自分の体調に敏感だった自分に満足しながら、体温計を腋下に、テレビの続きを見ながら時間の経つのを待つ。体温計は昔ながらの水銀式で、一時は電子式も使っていたのだが、結局はこれに戻ってしまった。電子式よりも信頼できるという、根拠のない機械嫌いと、昔の悪い子時代に多用した裏技の思い出のためだ。もちろん今は、裏技は使わない。

 十分が過ぎて、体温計をとりだして見る。したら、三十六度四分。まったくの平熱だった。そしてはたと気付く。今は春。季節の慌ただしい気温変化に身体がついていかないで、自立神経系がまいってしまってるのだ。つまりはのぼせ。ぎりぎりまで体温を測らないのは、こういう空振りも少なくないからだ。

 体調の落ちる春は嫌い。秋冬がいい。一生が冬ならばいいのに。春になるといつも思う。


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公開日:2001.04.10
最終更新日:2001.09.02
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