あちこちに知り合いがいるということ

 知りあいが少ないと常々私は自分の顔の狭さを嘆いているが、それでもちょっと落ち着いて数えてみれば、日本どころか世界のあちこちに友人知人がいたりする。情報技術の発達ってすごいな、といいたいところだが、全部が全部ネットで知りあったというわけじゃない。直接の知り合い、知り合いの知り合い、ネット経由の知り合い。分類すればおおむねこんなところだろうか。

 知り合いがいろんなところにいるということは面白いことだと思う。例えばオリンピック、フランスは以前からひいきにしていたが、今回はベルギーにも自然目がいった。昔タイに文通相手がいたことから、タイも少し特別な国である。朝鮮両国は学生時分の知人の故郷だ。そういえばプエルトリコの人はどうしたろう。中国には友人が留学していて、だから肺炎が流行したときや例の寸劇に発する反日感情の膨らんだ時などは心配だった。などなど。そこに知り合いがいるということは、もうそこはただの場所ではないということである。自分にとって大切な場所であり、意味のある場所であり、ひとごとではいられない場所であるのだ。

 台風16号が九州にさしかかろうとしている。あるいは、もう上陸しただろうか。不思議なことに私には九州の知り合いが多く、どころか自分にとって大切と思う友人がいるのである。今度の台風は非常に強くしかも速度が遅い。加えて大潮に重なってしまったせいで、高潮による被害が予想されている。何年前には同様の条件によって、どれほどの被害が出た。そうした報道を見れば、被害が私の友人にも及ぶのではないか。なにしろ私は地理には詳しくなくて、友人の住むところがどういうところか一向想像が至らぬもんだから、いらぬ心配してしまう。願わくばなにごともなければよいと思う。台風一過、無事これ幸いであって欲しい。九州四国本州、場所を問わない。もう災害はまっぴらだと、自分の住むところそっちのけで祈る思いである。


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公開日:2004.08.28
最終更新日:2004.08.28
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