引きの弱さ

 ここぞというときの引きが弱いのだ。これぞ本命という気合いが空回りするのか、あるいは運命が嫌がらせするのか、とにかく私は人生の最も大事な局面で、どうも悪い結果を引いてしまう傾向にある。

 昨日買った漫画になにやら印刷の汚れっぽいものを見つけて、気になっていろんな人に聞いてみたらやっぱり汚れのようだった。漫画は絵を楽しむものでもあるから、印刷の汚れ、画面の瑕疵はいやなもので、けどこういう印刷汚れというのは交換の対象になるんだろうか。ならないような気がするなあ。どうしようか、いっそ祝儀と思ってもう一冊買っちゃおうかなんて思っていたら、今日買った漫画にも印刷の汚れを見つけてしまった。同じくいろいろ聞きまわれば、案の定汚れの模様。うーん、ショック。どちらも好きな漫画家だから、二冊目を買うのにとりわけ躊躇があるわけではないのだが、けれど同じ本がうちの中に何冊もごろごろしているというのも不健全な話だから、できれば避けたい。でも、後々読み返すごとにくよくよすることになるのなら、いっそ二冊目を買ってしまったほうが精神衛生にもいいではないか。

 と、今この時点で、くよくよと精神衛生に悪い考えを巡らせている。

 どちらの本もだね、一等お気に入りの作家の新刊だから、喜び勇んで買いに走って、どれが一番きれいな本だろうかってためつすがめつして選んで、それこそ山のように本を集めて、神経質をあからさまに取っ換え引っ換えしたというのにこのざまだ。なにしろ漫画はシュリンクされていることが多いから、外からじゃあ中身の汚れまでは見通せないって寸法よ。しかし、こうしたことって、よくよくお気に入りの作家の、お気に入りの漫画で起こるのだが、なにか呪いでもかかってるのだろうか。

 二冊目買って、中の無事を確認したらば、漫画家ごと好いてくれそうな人を探して、あげてしまってもいいな。もちろん買ってくれたら、それが一番いいんだけど!


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公開日:2005.07.28
最終更新日:2005.07.28
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