デジタル家電は難しい

 うちは山を切り開いて作られた造成地にあるものだから、テレビの電波の届きが悪いときている。そのため以前は、集合アンテナを立てて、住宅地一帯の受信をまかなっていたのだが、地上波デジタルに対応させるために集合アンテナを排し、ケーブルテレビを利用することとなった。契約は、地上波デジタルのみの再送信。しかし、最初の半年は通常の契約をするということになっていて、そのためうちにはCATVのセットトップボックスがあった。地上波デジタル、ケーブルテレビの番組、そして衛星放送を受信できて、これがあったからこそ、私は再びアニメ、『けいおん!』だが、を見ることになったのだな。HDRとしての機能もあるから、とりあえず一話を録ってみようかと思った。もしこれがなかったら、私はきっぱりとアニメばなれできていたはずだ。

 そして、もう少しで約束の半年が過ぎる。セットトップボックスに録画された番組は、その録画された状態のまま回収されていく。それはかまわない。しかし、移行できるものなら移行したい、そのようにも思われて、だからその方法を模索してみた。

 移行先の機器は、テレビに接続したハードディスクだ。移行したい番組は、ダビング10とやらで十回しかコピーできない。孫コピーできないのは不満だが、しかしまるっきり移せないことを思えばまだましといえようか。しかし、説明書を見ても、どうしたら移せるかがよくわからない。しかし、よくわからないながら、i.Linkケーブルがあればなんとかなるかも知れない、そんな風にも思われて、だからi.Linkケーブルを買ってみたのだった。

 結果は失敗。セットトップボックスはテレビを見付けてくれるが、設定等ができないといわれる。テレビからはセットトップボックスを見付けることさえできない。そのため、データの移行、ダビングはできず、かくして録画した番組を持ち出すことはできないとはっきりした。

 デジタルになると、データの扱いがアナログよりも便利になる、そういう思いがあったけれど、こと家電になると、そう簡単でもないということがよくわかった。著作物保護やらなんやらのしばりがある。また、機器の役割りが決められているということもある。チューナーはチューナー、テレビはテレビなのだ。デジタル家電は便利だが、とりあえずあるものを使うという点ではアナログ機器の方が融通がきいたように思う。デジタル家電は難しい。


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公開日:2009.06.07
最終更新日:2009.06.07
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