2008年は北京に行こう

 2001年7月13日の夜、注目の第29回夏季オリンピック開催地が、めでたく中国は北京に決定された。我らが大阪は、おおかたの予想を裏切らず落選。それも真っ先に脱落という体たらく、まあ当然の結果というべきだろうか(それでも、ちょっぴり残念ではあるのだ)。ともあれ、オリンピックが我らがアジアで開催されるというのは、嬉しいことではないか。

 開催地が北京になった背景には、未だ発展の最中である中国の将来性と、魅力的な巨大市場という経済的な理由もあるだろう。しかしそれ以上に、中国人民のオリンピックにかける意欲が評価されたものと信じたい。IOC委員訪問の際には、北京人民が総出で街の清掃にあたり、色褪せた芝を緑に塗り替えるなど(これは自然破壊ではないのか?)の一種過剰ともいえる盛り上がりと熱意が見られ、これらなどは大阪にはないとまったく負けを認めざるを得ないほどだったのだ。

 知人の病的な潔癖さを見せるオーストラリア人は、かつて訪れた北京の不潔さに顔をしかめ、あんなところには二度といきたくないと吐いて捨てたが、世界的に不評の厠所の汚さも含め、近ごろは随分と改善されていると聞く(それが国家主導というところが、中国らしいのだが)。オリンピック年には、北京はこれまでにない姿を我々の前に見せてくれるのではないかと、人民の努力とその結果を楽しみに待ちたいと思う。

 そして、その中国にこそいってみたいと思う。チベットの扱いや人権問題で今なお揺れる中国だが、高度に政治的な場であるオリンピックだからこそなしうる、超政治的変革を期待しながら2008年のその時を僕は待ちたい。

 そのためには、人民との交流の鍵となる言葉を、中国普通話を、せめて日常会話と肝心のオリンピックについて語り合えるほどには使えるようになってないといけないだろう。だから、僕は2008年を目指し、漢語に今まで以上の労力を投入していきたいと思う。またこのような草の根の努力こそが、揺れ続ける日中、そしてアジアの交流を支える基礎となるのだろう。

 2008年には北京に行こう!


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公開日:2001.07.15
最終更新日:2001.09.02
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