一念発起フランス語

結構楽しかった授業第一日目

まずは緊張と怖れの日々

 四月十日の水曜日に受けたレベルチェック。中級と判定してもらえたのは非常に嬉しかったのですが、問題は、果たしてその判断が妥当だったかどうかということ。もし授業がはじまってついていけなかったらどうする? 自分一人が置いてきぼりにされ、授業だけがどしどし進んでいく。そんな中で三時間も堪えるのは、苦痛この上ないことです。もう、そんな思いは二度と味わいたくない。なので、予習をしようと思いました。

 でもテキストは二冊、どのように授業が進められるかは不明。ビデオ併用のテキストはビデオ併用というだけあって、テキストだけで予習するにはなにかと不都合がありそう。というのも、ビデオを見る前にそのエピソードの写真を見て答えましょう、という設問や、消音状態でビデオを見て、どういうシーンか想像しましょうというのがあって、果たしてこういう設問が正式に出される前に、本文を全部読んでしまっていていいんだろうか。後に出てくる、テキストを見ずによく聞いて答えましょうという問題に、テキストをことごとくやっつけた後に答えるのは、いわゆる卑怯卑劣というものではないのか?

 とまあこんな具合で悩んでしまって、結局読んだのは問題だけだったりします。でもきっちりと時間を割いて予習できなかったので、読んだといっても非常にあやしくさい。その上、前日はあまりのしんどさから、夜の十時に寝てしまった。

 こんなんで、不安が解消されるはずなんてありませんね。

当日授業が開始されるまで

 早起きするつもりで寝過ごすのはいつものこと、今回も同様でした。起きてから予習しようと決めていたのに、ネットをさまよったり饂飩を茹でたりして現実逃避するのもいつもどおり、駄目駄目です。でも一時間ちょっとはテキストに向かう時間がとれました。ちょっとは成長して、ますよね?

 レベルチェックの日、余裕を持ちすぎて馬鹿早く着いたのを教訓にして、今回は三十分ほど遅らせて出発。到着は授業開始三十分前と、ほどほどの余裕のあるいい感じ。向後の時間割がこれで決定されました。

無人の教室で 割り当てられた教室に入ると、とりあえず自分の席を決めました。左手側がフリーになる隅っこで、だけど先生に近い席というのが僕の好みで、つまりは左列二番目の席。一番前というのは、さすがに躊躇しました。

 少しでも時間のあるうちにとテキストを読んでいたらば、ひとりふたりと受講者が集まってきます。学生から主婦まで、非常に幅の広い受講者が魅力的。九人の受講者、そして先生一人がこの講座の全員です。

場に臨んでみて

 授業が開始されました。先生はフランス人、授業はフランス語のみで進みます。先生のいうとおり、進行はやさしいフランス語によるものなので、まあなんとか理解できたのでよかった。とりあえずは安心です。

 前回講座から引き続いての参加者はどうやら五人、新規参加者は四人のようです。

まずは自己紹介

 最初の席決めが功を奏したといえましょう。すべてが先生の左手側前から進んでいく。つまり僕は、発表なりなんなりが一番最後、というわけです。慣れるまでは、当たるのは最後の方がいい。さすがに一番は厳しいものがあります。

 ひとりひとりの自己紹介を聞いていって、その人の人となりをちょっとずつでも知っていきます。でも最後に自分の自己紹介が控えているもんで気が気ではない。自己紹介が、実に苦手なんですよね。なにをいっていいのか訳分かんない。そんな僕は、社会不適合者気味なんです。

 自分の番がまわってきて言えたことは、まず名前。ほかの人は名姓順なのを、頑固にも姓名順にいう。それで姓を名と勘違いされてはかなわないので(過去に何度も経験)、加えて自分の prénom を強調して主張。そこでフリーズ。なにをいったらいいのかが分かんない。どうした、ほかの人の発言を聞いている間に考えてきたじゃないか。でも、それらが全部飛んでしまってるんですよね。だって、いやなんだもの。日本語でも、大抵ここで凍りついてます。

 先生の、どこに住んでるの? という助け船が出て、J'habite au coin du Kyoto. となんとか答えて、その後はフランス語の学習状況なんかをちょっとだけ話して、donc... で終わった。というか、なぜ donc... で終わる……

 自己紹介の後は、先週末はなにをしていたかの発表。先週先週と思いだそうとしてもなにも思い出せない。別にあったことをありのままいう必要なんてないのに、僕はこういうところに融通が利かない自然主義者なのです。こういう僕は、語学の授業でよくある、この表現を使ってなにか文を作ってみましょう、というのができない。社会不適合者予備軍なのです。

 とりあえず、先の日曜にあった知事の選挙にいった話と、休みには散歩写真や本を読むのが常ですとかいったことでお茶を濁した…… なんかすっきりしない……

続いてテキスト

 続いてはテキストでの学習です。まず、例の写真を見て答えましょうというビデオ前の設問。これは、何人かがグループを作っての作業になって、ちょっと知りあい度が増したふうで嬉しいもんです。

 その後、ビデオ視聴。うわー、わかんねー。ちょこちょこと単語レベルで聞こえてくるという程度。テレビで観る、トルシエのインタビューのほうがずっと聞きやすい。これは問題です。もっとフランス語を聞き慣れる必要があります。フランス映画漬けになるかなあ。

 ビデオ視聴後は、内容の理解をはかる設問をこなしていきます。これで明らかとなったのは、だいたいの理解は大筋でできているということ。けれど、書き取りましょうというのはまったくの不可能でした。というか、こんなんできる訳ないやんか。

 とまあこんな感じで、圧倒的不利な状況のまま前半戦は終了。休憩です。

休憩

 疲れ果てての休憩中。ちょびっとだけ他の人と話しして、後はやっつけの予習。とにかく、少しでも頑張らないとね。

後半戦開始

 先生が戻ってきて話された瞬間、しまった、と思った。先生のいわはることが聞き取れなくなってる…… 脳みそが日本語に戻ってしまったんや。ここが、僕の最大の問題点なんです。日本語しかなかった時期が僕には長すぎたので、とにかく日本語について頑張りすぎています。そのせいで、完全に脳が日本語のものになってしまっていて、日本語的発想からぬけられない、耳も音を日本語として受け付けるばかりになっている。

 来週からは、休憩中に脳が日本語に戻らないように対策しましょう。

プリントでの学習

 後半にはプリントでの学習があって、これが非常に面白かった。

 A群とB群に分かれて、それぞれに違う内容のプリントが渡されました。内容は、魔法の薬の作り方とその行程の図解。でも図解は順番がばらばらなんですよ。で、説明を聞きながら、図を順序に並べていきます。

 こういうの楽しいですね。好きですよ。でも順番に図を並べたとしても、答えるときはその相手のいった行程を言葉で言い直すというやり方です。なので、自分で行程やなんかを説明するという訓練にもなるわけですよ。実にうまいやり方だなと、正直感心しつつ、実によく楽しみました。

 この魔法薬レシピの練習を終えたら、最後にビデオをもう一回見て、分からない語彙の質疑応答。と、これら一連の作業を経て、本日の授業は終わりました。

 正直なところ、三時間では物足りないとさえ思う楽しさでした。来週が楽しみとともに、予習をきっちりしていこうと思います。後は、フランス語的耳(脳)を整備する努力、ですね。

さみしい話

 第一回目の授業を終えて、レベルが合わないと感じた人が一人去っていきました。仕方がないんだけども、ちょっとさみしいことです。できれば今後は、人が減って欲しくない。さみしいのはきらいです。

今日の関係ない話

八ッ橋発祥の家

発祥の家門前 関西日仏学館の近くには熊野神社というのがありまして、実はそこが京都銘菓八ッ橋の発祥地なのだそうです。で、神社の隣には、八ッ橋発祥の家とやらが保存されているのですよ。

 八ッ橋というのは、実に素晴らしいお菓子です。世に銘菓というのは沢山ありますが、中でも八ッ橋というのは白眉だと僕は信じています。

 というわけで、発祥の家の向かいにある聖護院八ッ橋で八ッ橋を購入。でも、なぜ「やすはちください」なんていってしまったんだろう。すっかり言語野が駄目になっちゃってるようです……


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公開日:2002.04.13
最終更新日:2002.04.20
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