スプリング・ガーデン・コンサート

avec Dominique Chagnon


場所:
宝塚ガーデンフィールズ英国風ナチュラル庭園シーズンズ内ウッドテラス 屋外ステージ
開催日:
2005年4月24日
時間:
1stステージ11時30分より、2ndステージ14時30分より、各回約45分

ドミニクさんのコンサートですよ

 NHKの語学番組テレビフランス語会話で2001年から昨年2004年まで歌のコーナーを受け持たれていたドミニク・シャニョンさんが今年度から番組を降りられて、ドミニクさんのファンの面々はなんだか張り合いがなくなったようだと、意気消沈しているのでありました。と、そんな状況を思ってか、なんとドミニクさんが私のメインフィールドである関西に歌いにいらっしゃるという話で、このところフランス語離れしている私でしたが、いってみようと思ったのでした。

 コンサートは、宝塚ファミリーランドの跡地である宝塚ガーデンフィールズに設けられた英国風ナチュラル庭園シーズンズで行われるということで、驚くのはその入場料でしょう。基本的に無料。ただしシーズンズへの入園料あるいはシーズンズに併設されたショップ&カフェグリーン・デコでの飲食料はいただきますとのこと。まあこの辺は当然ではありますが、イベント自体の料金は取らないということで、実に良心的というか、太っ腹じゃなという感想を抱きました。

 宝塚ファミリーランドといえば、私が子供の頃に散々遊んだ遊園地&動物園でありまして、あんまりたくさんいったもんだから、なくなるという話を聞いたときはさすがにショックで、跡地であるガーデンフィールズには一度も足を運んだことがありませんでした。歌劇も以前は、たびたびとはいいませんが、いっていたりしたのですが、もう何年も前からいかなくなって、だからドミニクさんのコンサートがなければ、宝塚に再び行くことはなかったかも知れません。

 久しぶりにいった宝塚は、見覚えのある地形にモデルハウスやドッグパーク、そしてガーデンズがあるという、なんだか懐かしかったりさみしかったりと、複雑な場所になっていました。けれど、ガーデンズを一回りしてみて、今日は花盛りという感じではなかったのですが、花が一面に咲けばきっと素敵な場所だろうなと思わせる雰囲気もあって、またドッグパークは、ちょっと犬が暑さにかお疲れの様子だったのがどうにも気の毒だったのですが、ですがスピッツがちょこちょこと寄ってきて愛想振りまいてくれて、すごく楽しかった。あんなに犬に触れたのは一体いつぶりでありましょうか。

 ドッグパーク内のドッグランでは、愛犬家が集まって犬を思いっきり遊ばせていましてね、その様子も見ていてすごく楽しそうでよかった。ええ、宝塚は私の知っている宝塚ではなくなりましたが、今もちゃんとその時々のありようでもって盛況であるのだなと、ちょっと嬉しくなったものです。

コンサートの模様

 コンサートは第一部が午前11時30分から、第二部は14時30分から。二回公演でありました。

 この日雨が降れば、グリーン・デコ屋内カフェ席にて演奏という話でしたが、幸いとてもいい天気で、いや、ちょっと天気がよすぎたんじゃないかね。もうかんかんと日が照る下での演奏会は、開放的で気持ちがいいんだけど、暑さがつらいぞ。実際私は帰ってきてからも頭がくらくらして、ちょっと弱っています。

 でも、あのテラス席に設けられたステージは、客席にすごく近くて、またドミニクさんも、相棒にギタリストをひとりというミニマムな編成で、それがすごく親身な感じを作り出していたと思います。今まで聴いてきた、ベース、ギター、ドラム、アコーディオンという編成ももちろん素敵ではありましたが、今日みたいな小編成もいい。ステージと客席がすごく近く感じられる、とてもいいコンサートであったと思います。

 第一部は、グリーン・デコのテラス席で聴いたのでした。なんでシーズンズじゃないかといえば、グリーン・デコだとパラソルがあったんですね。ええ、日差しを避けて横から見たのでした。けれど、第二部ではシーズンズにはいって客席の一番前の列に座りましてね、やっぱり違うわと思いました。横から見れば、やっぱりどことなく距離があって、遠くに眺めるというそんな感じがありまして、ところがやっぱり真っ正面に座ればそのアピールの度合いが違います。午後は、午前以上に楽しめる演奏会体験となりました。

 ドミニクの歌については、これまでも散々いってきたからあえていわずにすますとして、驚いたのはドミニクの日本語能力の向上でしょう。そりゃ、日本に来てもう四年なのかな? 五年? 結構長くなっているのだからしゃべれるようになってて別段おかしくはありません。けど、ライブの進行をしっかりと行い、その場その場で臨機応変に対応して場を和ます。シーズンズは、やっぱ春ですから熊ん蜂とか飛んでましてね、そいつを指さして自然がいっぱいですよといってみたり、通りがかった子供が、ドミニクのAlors !を耳にして、アローだってといったのですが、それがあまりに絶妙のタイミングだったものだから会場が笑いに包まれまして、けれどドミニクはその笑いをうまく自分に向けて引っ張って、聴衆の注意をそれまで以上に高めるという、そういうドミニクのエンターテイナーとしての面が非常に色濃く出たコンサートであったと思います。

 あれだけ日本語でアピールできれば、とりあえず日本での営業は問題なさそうだなあと、なんか私、いらんこと心配してますね。けれど、結構当初からドミニクのコンサートに出向いて応援してきた人は、こうしたドミニクの姿をみて、安堵したりしてるんじゃないでしょうか。ええ、私もそんな感じだったかも知れません。

蛇足

 ギタリスト久保田氏のギターは、非常に参考になりました。無駄にはしません。


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公開日:2005.04.24
最終更新日:2005.04.24
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