原題:Full House : the First Season
1987-1988年/アメリカ/547分
製作総指揮:Jeff Franklin
発売:ワーナー・ホーム・ビデオ(DVD)
フルハウスは最高! NHK教育で放送され、日本でも大人気を博したアメリカのホームコメディ。男三人が女の子三人の子育てに翻弄されるというシチュエーションが最高で、時に生意気でおませな子供たちもかわいくて最高! これが人気になるのはあったりまえだと、もちろん大のフルハウスファンである私などは、自分の手柄でもないのに鼻高々だ。
このドラマに特徴的なところは、家族の誰かに起こった問題を、家族全員で共有して解決しようというその姿勢だ。問題は子供たちもそして大人たちも同じように抱えていて、なにしろ個性や状況を違えた六人だから、問題も六者六様。こうした多様性は、ドラマの懐を広げるのに実によく役立っていて、そしてその問題を解決するのは、いつも家族同士の思いやりであるのだから素敵だ。オー・ヘンリーが『賢者の贈り物』に描いた思想が、フルハウスにも通底しているとわかる。私はそこにアメリカ的なるものを見ては憧れ――、そう、日頃はアメリカを軽薄といわんばかりの私が、フルハウスのタナー家にはずうっと憧れ続けているというわけだ。
フルハウスの第一シーズンがDVD化されて、こんなに嬉しいことったらなかった。やっぱりフルハウスは最高! はじまったその時から完成されていたといってかまわないほどの出来で、実に素晴らしい。しかし、その開始当初にはやはり紆余曲折もあったようで、そうした模様はジェフ・フランクリンの音声解説に詳しい。しかし、フルハウスはある意味神の采配といっていいような計らいでもって、はじめから運も可能性も味方につけてはじまっていたと知れるのだ。
ところで第一シーズンの時点では、ダニーはまだ三十歳なんですね。もっと上かと思っていて、今や私の方が年上で、これにはちょっとショックだったな。毎週の放送を楽しみに追っていたときは、ジェシーよりも年下だったんだぜ。ああ、時の流れというのは残酷であると思うのさ。
評点:5
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