眠れぬ夜をギターと過ごす

 不安であるとか悩みがあると、夜眠れなくなるというのはよくある話。しかし、これほどに眠れないことは、ちょっとなかった。夜1時すぎに布団に入り、有山じゅんじを流しながら鬱々と懊悩。眠れぬうちにCD1枚分の時間は過ぎてしまって、仕方なしにもう一度再生するも、またそれもすぐに過ぎてしまった。ここで、ロバート・ジョンソンに切り替えて、しかしそれでも眠れない。眠れないどころか、目がさえてしかたがないから、起き出して『けいおん!!』の第1話を見る。それでも眠くならない。ここで、ロバート・ジョンソンの2枚目をかけて、それが終わる前に眠れなかったら、もう寝るのは諦めてギターの練習をすると決めた。

 夜が明けようという時刻、エレキギターを用意して、さすがにアンプは使えない時刻、amPlugが役にたった。メトロノームは迷惑になろう。カウントなしで、マイナーペンタトニックを適当に弾いて指ならし。その後、ローポジションの長短調とハイポジションの長短調全調を弾いて、またマイナーペンタトニックに戻る。遊び弾き。しかし、遊びから得られることは多い。適当にそれらしく弾いて試してを繰り返すうちに、少しずつ展開の可能性が見えてくる。主音、落ち着く場所、弾きはじめるのに適した音、チョーキングするとはまる音、途中でダイアトニックに移行してみる、黙々と試しながら、時間を流していく。

 もうすっかり夜が明けて、人が起きだしてくる時間になって、メトロノームを出してきた。『究極のギター練習帳』を頭からさらっていく。ゆっくりのテンポではじめて、少しずつ速くしていく。それでも、規定テンポには届かない。届かないながらも、雑には弾かないように気をつける。課題ひとつを20分とか30分とかかけて、指に染み込ませていくつもりで弾く。

 練習の合間合間に、適当な遊び弾きを混ぜて、気付けば背を丸めて、ギターを抱えるようにして弾いている。気持ちが落ち込んでいる時は、こうしてギターを抱えて、ただただ弾くのがよい。ギターとは、つくづく寂しい気持ちや悲しい気持ちをやわらげてくれる楽器であると知った。そんな夜、そんな一日。


こととねエレクトリックサイドへ トップページに戻る

公開日:2010.04.11
最終更新日:2010.04.11
webmaster@kototone.jp
Creative Commons License
こととねは、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示 - 継承 2.1 日本)の下でライセンスされています。