パーシャル・カポ:Shubb

 カポを買った。って、いったいいくつ目だよという声が聞こえてきそうな気がするが、そうではないのだ。今回買ったShubbのカポは、カポとしては五つ目だが、これまでのものとはちょいと一味違う。パーシャル・カポなのだよ。私が以前から持ってる(そして全然使いこなせていない)Kyserパーシャル・カポは、ワンタッチでレギュラーをDADGAD風にできるという優れものだ。だが、今回買ったものはというと、レギュラーをワンタッチでDrop D風にできるというこれまた優れもの。

Drop Dチューニングへの接近

 単純にいうと、第1から第5弦までを押さえて、第6弦は押さえないんだ。だから、これを第2フレットにつければ、Drop Dの2カポ相当になるというわけ。しかも第6弦を下げているわけではないから、弦同士の関係はレギュラーのまま。いつも通りのコードダイアグラムが使えて便利だ。

 ちなみに、これと同じ機能を持つカポはKyserからも出ていて、けれど私はこちらは選ばなかった。その理由はたいしたものではなくて、せっかく買ったShubbのカポが、後に入手したG7thカポの使い勝手があまりによすぎたせいでお蔵入りしてしまったからと、まあそんな単純な(そしていい加減な)理由からなのだ。

で、なんに使っているのか

 Drop Dに接近するのはいいとして、じゃあそれをなにに使っているのかというと、これはとりあえず使っているのである。

 Delcamp.netというギターサイトがあるのだが、そこで知ることとなったWeed氏のギタータブサイトがすごい充実。私が遊び弾きして、適当に拾っていたバッハの平均率第一巻ハ長調のプレリュードのタブも用意されていて、きゃっほう、こりゃ宝の山だぜ。

 けれど、このタブには一点問題があった。それはなにか? なんと、チューニングがDrop Dなのだよ。

 じゃあ、6弦をEからDに落とせよという声が聞こえてきそうだが、私はそれが面倒くさい。私はレギュラーで頑張りたいのだ。だから、Drop Dをエミュレートできるカポを買って、in Cの曲をin Dでやっている。いや、いいんだ。バッハの時代はAが440だったわけじゃないから(まあ、今よりずっと低かったんだけどさ)。

 ともあれ、Drop Dをエミュレートできるカポの威力はなかなかで、第6弦をDに下げると、どうしてもハイポジションよりで弾くことになるが(そうしないと、Gの音が使えない。Drop Dだと第6弦第5フレットだ)、Drop Dカポを使うと、いつも通りのローポジションで弾けて、開放弦もしっかり利用できる。だから、少なくともプレリュードに関しては難度がぐっと下がるのだ。

 すべての曲において難度が下がるとは思えないが、少なくとも、これを使うことで、手が慣れたレギュラーのフィーリングを保ちながらも、印象的な効果を得ることができる。実音のDが欲しいときには使えないものの、そうでないならこれは買いだ。

色について

 ちょっと余談。私の買ったパーシャル・カポはブラス製で、今は新しいから金色がまぶしく、なんだかかっこいい。以前買ったShubbカポはニッケルプレートだから、色で区別できる。実にいい感じだ。


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公開日:2005.09.24
最終更新日:2005.09.24
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