RMプレリュードと比較する

 フラメンコギターを試奏しにいって、それだけではどうにも判断がつかないものだから、同価格帯のクラシックギターを弾かせてもらえないかとお願いした。その続き。

 店員氏が出してきてくれたギターは、試奏中のフラメンコギターと同じアストリアス製のギター、RMプレリュードだった。このギターはフラメンコプレリュードに仕様がよく似ていて、表は杉、サイド及びバックが三層合板、指板と駒はローズウッドで、ネックはマホガニー。塗装も双方ウレタンだ。違うところはというと、合板を構成する材で、フラメンコがスプルース/マホガニー/スプルース、RMはローズウッド/マホガニー/ローズウッド。というところ。あと、RMのネックには黒檀による補強が入っていた。ああ、いうまでもないことだけど、RMにはゴルペ板は貼られていない。

 ほぼ仕様的にも変わらないRMプレリュードを弾いてみて、私は困ってしまったね。なんというか、RMの方がいい音だと感じてしまったんだ。音が丸く綺麗。低音とか暴れず綺麗にまとまって、高音にしてもよく伸びるように感じたんだけども、これはクラシックとフラメンコで楽器に求めるものが違うってことだわな。RMはクラシックギターなんだけれど、表板が杉だからか音は明るく出もはっきりしている。こうしたところはフラメンコプレリュードに似ているものの、音自体はよくまとめられていると感じられて、弾いていて上品と思える(となると、プレリュードあたりはどうなるんだろう、もっとか?)。対してフラメンコプレリュードの印象はというと、低音なんかは結構暴れるし、中音、高音なんかもずいぶんとクリスプだ。

 もしこのふたつの楽器を、まったく目隠しして、しかも片方がフラメンコギターということを知らされずに弾いたら、多分RMプレリュードを選ぶと思う。全員が全員とはいわないけれど、ほとんどのギタリストはそうなんじゃないかな。RMはクラシック系だから弦高高めかと思ったら、全然そんなことなかったから、運動性にしても遜色ない。というか、これ欲しいなと思ってしまって非常にまずい結果となってしまった。

 以上のような経緯で、すっかりクラシックギターに目移りしてしまって、続く。


<   >

こととねギターサイドへ トップページに戻る

公開日:2007.05.16
最終更新日:2007.05.16
webmaster@kototone.jp
Creative Commons License
こととねは、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示 - 継承 2.1 日本)の下でライセンスされています。