フィンガーイーズ

 フィンガーイーズを買ったのだ。フィンガーイーズというのはなにかというと、指板と弦の潤滑剤なんて説明されるやつ。スプレーになっていて、これをギターの弦に吹きつけると、運指が非常に楽になるというやつだ。

 以前、浜田隆史氏のライブにいったときRootsのギタリスト天満俊秀氏がスプレーを使っているのを見て、あれはフィンガーイーズかなあと思ったのがきっかけ。天満氏は直接ギターに向けて吹くのではなく、自分の手に吹きつけてから、それを弦に塗り付けるというようなやり方をされていた。私はギターにこうした薬剤を吹きつけるというのにはどうにも抵抗があるもんだから、もし自分がこういうのを使うなら、天満氏のやり方をまねしようと思ったものだった。

フィンガーイーズは人のもの

 だが、今回買ったというフィンガーイーズは自分用ではないのだ。友人に贈るために買ったもので、その友人というのは先達て一緒に演奏する機会を持った、二胡奏者だ。

 二胡という楽器は、皆さんご存知かどうかわからんからちょっと説明するが、スライドやポルタメントという技法を縦横に駆使して演奏される楽器である。二胡の弦は金属弦であり、指板に押さえつけることもなく(二胡には棹はあるが指板がない)、空中にて弦を押さえながら指を上下させる。なんか大変そうじゃないか。人によれば、指先が滑りにくいこともあろう。だから、二胡奏者はなんとか指が滑りやすくなるようにと、いろいろ工夫するらしい。

 中国ではこういうときに、顔の脂を指につけるんだそうな。そうして指先の摩擦を少なくして、演奏に赴く。私の友人は、この、顔の脂を使うというのがとてもいやで仕方がなかったといっていた。だから、そんなときにはフィンガーイーズがいいだろうよと教えたのであった。

フィンガーイーズにもいろいろ

 フィンガーイーズと一言にいっても、実はいろいろな種類がある。元祖というかフィンガーイーズというのは、もちろんChem-pakの製品であるTONE Finger-Ease Guitar String Lubricantのことなんだが、この他にも二三あって、楽器店店員に違いはあるのと聞いてみたら、別にないですよとのこと。だったらフィンガーイーズよりも安い方を選べばよさそうなもんだが、ここは人にあげるものだから、元祖というか本家というか標準的というか、フィンガーイーズを選んだのだった。

まとめ

 先にも触れたように、二胡には指板がないから、もし使うなら、指や布に吹きつけて、それを弦に塗るという方法になるだろう。なんというんだろう、こういうのを楽器に直接吹きつけると、楽器の木部を傷めそうじゃんか。どうしても私はそういう考えを捨てきれないから、自分の楽器にこういうものを使うことは、この先もないんじゃないかなと思う。

 それに、実をいうと、私は手にあまり汗をかかない体質だから、フィンガーイーズやこれに類するものが必要じゃないんだ。弦もほとんど錆びないし、塗装もはげたりしないしで、この点に関しては親に感謝している。


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公開日:2005.07.07
最終更新日:2005.07.07
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