腱鞘炎を引き起こす要因は以下のみっつが代表格。
いよいよ、我々は冬を迎えようとしており、この冬という季節は指を使う人間にとって非常に厄介だ。なによりも寒いのがいけない。寒いと指の動きが鈍る。血行が悪化し、悪くすれば霜焼けにもなる。だから私はこれらの予防のために、誰よりも早く手袋を用意し、誰よりも長く使うのが常だ。
寒いと指の動きが鈍るのも確かだが、それはまあ一時的なもので、温めれば回復するようなものだ。しかし問題は、冷えた指でギターを弾くことで発症する腱鞘炎。私はひどい冷え性なものだから、毎冬、腱鞘炎を怖れている。管楽器やっていたときは、楽器が呼気によって暖められるから多少はましで(本当に多少なのだが)、ギターとなればそうはいかず、弦は冷たい、指先は痛い。だから無理はできない。ストーブをつけよう。ひざ掛けをしよう。実際、まだストーブは出していないが、ひざ掛けは使っている。なにより寒さは敵なのだ。
そして、寒さ以外の要因。力みが怖い。私は少しずつ教則本をこなしているのだが、つい先日から新しい章に入って、慣れない練習を少しずつ神経つなげるように、ゆっくりさらっている。
今私がやっているのは、「オクターブによる左手各指の独立」というやつで、なにをするのかというと、1オクターブの間隔を保ったまま、半音で上がり下がりするという練習だ。ウェス・モンゴメリーのオクターブ奏法を思い浮かべてもらうとわかりやすいかも知れないが、私の使っている教本はあくまでもクラシックの教本だから、きっとだいぶ違うはず。でも、オクターブのインタバルを保って弾けるようになると便利そうだから、しっかりやっておきたいところだ。
閑話休題。この練習であるが、慣れないうちは非常に難儀なものがあって、思うように指が動かない。今でこそようやくメトロノームに、ゆっくりとでも合わせて弾けるようになったが、最初のうちは一定のテンポでは弾けなかった。それが弾けるようになって、しかしまだ指はばたついていて、それほど長く弾いていないにも関わらず疲労がひどい。力んでいるんだろうな。
と、ここで最初の三要素を思い出していただきたい。寒さ、力み、そしてここへ酷使が加われば完璧だ!
気をつけよう……。