右手人差し指の爪、親指側が削れて、少し尖った形になってしまっている。もともと私は、あまり爪の先が丸くならないよう、多少角張ったかたちに削っていたのだが、それが親指側ばかりが摩耗してしまうようになったのには理由がある。それは非常に単純なもので、フラメンコギターの技法、ラスゲアードのためだ。
私はフラメンコギターを弾く際には、足台を左足にではなく右足に使うようにしている。高さを一番低くして、右足をのせる。そして右ひざにギターのくびれをあわせるようにして構える。つまりはクラシックスタイルではなく、フォークなどで見られるような構え方をしているわけだ。
この構えで弾くのは、ひとえに習っている教師がこう構えているからということにほかならないのだが、問題はこの構え方でラスゲアードをすると、指の当たりがまっすぐではなく、多少斜めになるというところだ。いきおい爪の親指側で弦を弾くことになる。こうして弾くと、唯一アップダウンで二度弦に触れる人差し指に影響が大きくあらわれて、先にのべたような、親指側が削れていびつに尖った爪になってしまうというわけだ。
果たしてこの形状がいいのかというと、あまりよくないのではないかと思っている。とりあえず、尖っているというのはよくない。他の指を見ると、爪の先は比較的幅広になっていて、つまり弦に当たる部分が多いということだ。ところが人差し指だけ尖っている。弦に触れる面積が少ない。となれば、響きも当然違ってくるだろう。
ここで考えられる対処法は、人差し指に合わせ他の爪も多少丸みを帯びさせるというものが一案。しかしこれはあまりやりたくない。となれば、後はできるだけ人差し指をまっすぐに弦に当てるように工夫するほかないだろう。側面ばかりを当て削ってしまうのではなく、爪の正面が弦にまっすぐ交叉するようなイメージを持てばよいと思う。