ちょっと空港で歌ってきた

 空港でちょっとしたイベントがあって、知人から出てみないかといわれたものだから、ほいほいと請け合って、歌ってきた。そのイベントというのは空港主催の地域活性かなんかそういうので、ただし時期が時期だからクリスマス縛り。これは私にはちょっときつかった。けど、まあなにごとも経験だからと、まだ蝉の鳴く9月からクリスマスソングを歌ってきて、満を持しての本番。さて、その模様はいかがなものであったか。

曲目

 曲目は以下のとおり

  1. The Little Drummer Boy
  2. Jingle Bells
  3. Joy to the World
  4. J. S. Bach : Prelude #1 in C, BWV 846; Praeludium, The Well-Tempered Clavier, Book 1
  5. The Twelve Days of Christmas

 4曲目のバッハを除き、すべてがクリスマスに関する曲。厳密にいえばジングルベルはクリスマスには関係ない(そり滑りの歌だし)のだが、いつの間にかクリスマスの歌ということになっているので、まあ気にしない。

 バッハは、クリスマス曲ばかりやるのが嫌だからなんとかねじ込みたいと思って、Joy to the Worldに無理矢理くっつけてみた。割りと自然にくっついたと思うんだが、人が聞いてどう思ったかは知らない。なおJoy to the Worldはバッハの同時代人どころか同い年のヘンデル作曲。バロックといわれた時代のものだね。

コンサートの模様

 コンサートの模様といっても、たいしたコンサートではないのだけど、そもそも持ち時間が20分。短い。上記の曲をすべてやると、だいたい16分くらい(だったかな?)。2曲目3曲目の間、4曲目5曲目の間でそれぞれカポを換えるので、チューニングが必要になる。だから少し余裕を持たせてあるわけだ。

 現場に着くとMCがいるということで、チューニングの間、その人に適当に話しておいてもらうことに決めた。できれば自分でしゃべれるといいんだが、話しながらだとチューニングに時間がかかる。だからここはお任せすると決めた。

 今回はPA付き。マイクは2本、一本はギター、一本は歌用。しかし参ったね。なにが参ったといっても、自分の音というのがとにかく聞こえないんだ。モニタースピーカーは用意されているんだけど、ハウリングしたらいかんからなんだろうね、音は絞り気味。そのせいで、ギターの音がほとんど聞こえない。場所はというとほとんど開放といってもいいようなスペースで、笑うほど音がすっ飛んでいく。参った。声はいいよ。骨伝導で聞こえるから。だがギターはそういうわけにはいかない。一体どういうバランスで弾いたものか、探り探りの1曲目だった。

 けどさ、よくよく考えたら、ギターと声のバランスなんて自分が心配することじゃないんだね。だって、ミキサーにエンジニアがついてるんだもん。完全にお任せでいいんじゃんか、気にせず適当にやりゃいいんだよと考えたら気が楽になった。

 緊張したかというと、本番では驚くほどに緊張から開放されていて、むしろ前日の方が緊張していたくらい。控室に入って、そこはまあ素晴らしい音響であったわけだが、一通り歌ってみて、本番が近づくにつれて落ち着いたというか、多分開き直った、腹が据わった。多少の緊張はそりゃあったろうが、けど割合落ち着いてやれて、最悪のトラブルみたいなものなんてのもなくって幸いだ。なんとでもなるもんだね。案ずるより産むが易しというやつだよ。

 間違いはもちろんあった。歌詞を間違えて、うやむやで歌った。1回。けどこんなのはよくあること、というか、きっとあると思っていたから別段なんとも思いやしない。ただ、やっぱり練習していないことは駄目だね。実は最後にWe Wish You a Merry Christmasをひとくさり歌って、この歌詞というのがWe wish you a Merry Christmas, And a Happy New Yearだから、メリークリスマス、そしてよいお年をといってしめるつもりが、メリークリスマス、そして新年……、やらかしてしまった。まだ開けてないって!

 こんな短いフレーズで間違えるだなんて思いもしてなかったし、そもそも客もいないのにそんな薄ら寒いこといえるか! なんて思っていたから、練習なんてしたことない。そして、往々にして本番ではそうしたところが危険なのだね。

 やられた。やられたわ。というわけで、普通、MCなんかも練習するもんなんだろうか。なんか薄ら寒くていやだね。でも、間違って恥ずかしいよりかは薄ら寒いほうがましなんだろうか。などなど、いろいろ反省するところのあるイベントだった。


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公開日:2006.12.16
最終更新日:2006.12.16
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