このごろはファイルサイズが大きくなる傾向にあるものだから、かつてあれほど栄華を誇ったフロッピーディスクもすっかり影が薄くなって、Macintoshからフロッピードライブが消えたのもいったいいつの頃からだろうか。フロッピーに収まるくらいのデータなら、メールで送ったほうが速い時代になったのだ。
だが、それでもフロッピーでデータを移したいと思うこともある。外部から遮断されたネットワークからデータを持ち出すとき(と書くと、なんだか犯罪をしてるみたいだが、そういうわけじゃない)とか、そもそもネットワークに接続していない環境からデータを持ち出すとき。なにしろ、1MB程度のデータなのだから、CD-Rを使うのも大げさだ。だから、ここは気楽にフロッピーディスクを使いたくなってくる。フロッピーにはフロッピーの気楽さ、手軽さというのがあるのだ。
だが、私の使っているiBook G4にはフロッピーディスクドライブがついていない。こういう場合はどうすればいいのだろうか。
Macintoshはネットワーク機能を標準でサポートする先進的なコンピュータである、といっても、これはもう十年も前の話か。PC/AT互換機の世界ではDOSが主流だったような時代の話であるが、だがMacintoshがネットワークに強かったのは間違いない事実である。
うちには、まだフロッピーディスクドライブが標準で搭載されていたころのMacintoshが、家族の共用端末として現役で働いている。実はこれを生かしているのは自分のためでもあって、というのは、このマシンをフロッピーディスクドライブ代わりに利用しようというのである。
Power Macintsh 7500のハードディスクにフロッピーの内容を移しておいてだな、ファイル共有をオンにし、iBook G4からアクセスしようというのだ。作業としてはたいした労ではない。だが、今回はどうもうまくいかない。なぜかわからないが、iBook側からPM7500を見付けられないのだ。ルータにアクセスして、リリースされているIPアドレス一覧を確認し、直接IPアドレスでPM7500にアクセスしようとしても、返事がない。そうこうしているうちに、PM7500は爆弾を出して沈黙する始末。いったいなにが起こっているのかわからないという状態であった。
何度か爆弾を表示させて、考え方を逆にしてみた。iBook側にサービスを開いて、PM7500をクライアントとしようというのだ。しかしこれでも駄目だ。なんということであるか、OS X 10.3.8のファイル共有サービスと、PM7500に載っている漢字Talk 7.5.3のファイル共有サービスは、互換性がなくなっているのである。いったいいつの間にこんなことになったんだろう。iBook G4を購入した当初は、通信できていたと思うんだけどなあ。マイナーバージョンアップを繰り返すうちに、ファイル共有の互換性が失われたのだろうか。あるいは、最初からできなかったのに、できると間違えて覚えてしまっていたのだろうか。いずれにせよ、iBook G4からPM7500をフロッピーディスクドライブの代わりとして使うというのは、無理になったのである。
まあ、簡単な話。PM7500からiBook G4あてにメールで送った。正確にいえば、自分のアドレスから自分のアドレスにメールを送って、そいつをiBookでうけた。
にしても、不便な話であるなあ。