雑誌になろうとして挫折し、一念発起リニューアルオープンしたと思ったらそれも頓挫。再び沈黙の時間を刻んで、二年が経過。So-netのU-pageサービスが無料に切り替えられた時、ちらりと記憶の片隅をよぎっただけで、普段は気にも留められないほどにこととねは荒廃していました。
そんなこととねを再びリニューアルしようとしたのは、簡単な理由からでした。新しいマシンを買ったのです。それまでは、Performa550やLC630という、すでに市場から消えて久しいマシンを使っていました。簡単なテキスト編集くらいならこれらでもさほど苦痛は感じなかったものの、WWWとなるとまったくの力不足。ついに堪えられなくなり、半ば衝動的にiBookを購入するにいたったのでした。
新しいマシンが来て嬉しかったばかりの時間が過ぎると、普段の生活の中でコンピュータを使うということがほとんどないという問題に突き当たります。せっかく思いきって買ったマシンも、これでは宝の持ち腐れ。少しでも使ってやらないと、もったいない。そこで、自分にできることをと考え、放置され荒廃していたサイトの建て直しをしようと思い立ったのでした。
手直しの手始めは、サイト全体の軽量化でした。そもそもがほとんど画像もなにも使っていなかったサイトです。それをあえて背景画像を無くし、レイアウトのために使っていたテーブルも撤廃したのは、その当時の、どんどん重くなる一方にあったWebサイトに対する批判の気分もありました。先ほど書いた、「WWWとなるとまったくの力不足」というのは、まさにこの重くなる一方のWebを指していたのです。
新しいこととねで、これだけはしたくないということがありました。お客さんを選ぶ、ということです。はなっからたいした情報を公開できるサイトではありません。なら、そんなサイトを見に来てくれた人を選ぶなんてことをしたくはありませんでした。具体的には、どんなに貧弱な環境からでも閲覧できるものとしたかったのです。最近盛んにいわれている、アクセシビリティやユーザビリティというものに、考え方としては近いでしょうか。
公開できる情報で、たいしたものはありませんでした。けれど、どんなに些細なものでも、公開することによって誰かの役に立つことがあるかも知れない。実際、情報を求めていて、個人サイトのちょっとしたページに助けられることは多いです。とのことから、自分の持っている情報で、第三者的視点から見てほんのわずかでも有意的と判断したものは、HTML化して公開していくことにしました。
学生の頃に書いたレポート、論文、NIFTYで公開したゲームのレビューも公開しました。これらはすべて電子化された文書だったため、HTML化するのは困難ではありません。これらを公開し終えれば、ゲームであったり些細な思うところであったりを書いた文章を公開し、更新頻度は徐々にあがっていったのです。
更新頻度の高さが重要であると改めて思ったのは、これまでほとんど動くことのなかったアクセスカウンタが、再び動き始めたためでした。こうなると、更新頻度をさらに高めたいと思い、気が付けば毎日更新。さして情報に意味や独自性を持たないのならば、せめて更新頻度だけでもと思ったのが、毎日更新に踏み切らせた理由でした。
こととねのリニューアルと毎日更新を開始してから、一年が経ちました。今でもたいしたサイトではないと自戒しています。人に役立った情報もあれば、まったく読まれたこともないようなのまであるでしょう。このような玉石混交のサイトですが、これからは少しでも有意的なものを増やし、人の役に立てるようになりたいなと。
リニューアル二年目にして、少しばかり初心に帰ったりなんかしちゃったりするのでした。