パーソナルコンピュータ黎明の時代には、ネットワークに標準で対応というだけで英雄になれた。
だが現在ではネットワーク機能の持ち主は一クライアントマシンになるかインターネットの入り口になるかしかなくなってしまった。
そして、君臨しているのは貧弱なセキュリティポリシーとゆたかなシェアを持ったウィンドウズという種族である。病める英知のなかで、ああ、見事なネットワーキングの夢は、いずこ?
Linux機へのメモリ増設も無事果たし、快適な環境が徐々に出来上がってきています。ですが、せっかくネットワーク対応OSの雄、UNIXの眷族であるLinuxを使うのですから、ネットワークにも対応したいところ。
とのことから、ネットワーク・インターフェイス・カード(NIC)を購入、導入しました。
Vine Linuxをインストールしたマシンには、PCI Busスロットが二基用意されています。このうちのひとつに、NICを取り付ける算段。PCI用のEthernetカードは非常に低廉になっているので、コスト面では非常に有利です。オークションを利用せず、新品を購入すると決めていました。
ですが、少々不安もありました。不安の種は、はたしてNICが無事認識されるかということ。もし認識されないようなことがあれば、NIC購入を考えている友人に、安く買ってもらうつもりでさえいたのです。
ですが、こういう逃げの姿勢ではいけない。失敗しても、それを糧として前に進めばいいじゃないか。と思う反面、やっぱり失敗しないLinux導入を目指したいのも人情。身近にLinuxユーザのいない僕にとって、頼りの綱はネットに公開されている情報でした。
幸いネット上には、Linux環境下で動作したハードウェアのリストが沢山あります。日本の Linux 情報にもリストやリンク集が用意されていますし、メーリングリストの過去ログなんかも非常に助けになります。そんななかで僕が参考にしたのは、Linux ハードウェア実績リストというサイトでした。
Linux ハードウェア実績リストはコメントの類いは最小限に抑えられているものの、非常に充実したデータが魅力です。ハードウェアの種別ごとにまとめられたリストの中から、NICのものをプリントアウトしました。プリントアウトの理由は、店頭に並ぶ商品の予測が、現状ではまったくできないためです。プリントアウトを片手に、店頭をさまようつもりだったのです。
大阪で電化製品を買うなら日本橋、というのが一昔前の定番でしたが、この頃では、大阪キタに上陸してきたヨドバシカメラが非常な人気を博しています。巨大なフロアに、多くの商品を展示、販売していて、しかも安いという噂。これは一度いってみなければ。
ということで、遅まきながらいってきましたヨドバシ梅田店。聞きしに勝る大きさに驚き、かつコンピュータ関連のフロアで迷ってしまうというみっともない一幕も。ですがひとしきり店舗内をうろついて、LAN関連のコーナーを発見するのに成功しました。
欲しいのは、PCI用の100Base-Tカード。10Baseには見向きもせず、店頭に並ぶ100Baseカード群を、実績リストと照らしていきます。
チェック項目は、100Baseでの実績があること、備考に要パッチという記述が無いこと、そして値段が安いということ、です。これらの項目をひとつひとつ確かめながら、最後の最後に選んだのが、GREEN HOUSEのGH-EL100/LRでした。備考に、rtl8139と一言書かれていたのが気になりましたが、まあ気にしない、気にしない。なんとかなるでしょ。
ちなみに、決定にはGREEN HOUSEのブランドネームも関係しています。いや、別に緑だから、今回は色縛りだからというわけではないですよ。
NICのハードウェア的な導入は、それこそレゴブロックなみに簡単です。差し込むソケットに対応する金属ブラケットを外し、カードを、それこそファミコンソフトを差し込む要領で取り付け、ねじでとめる。これだけのこと、雑作もありません。
この次にすることは、Vine LinuxにNICを認識させるという作業です。はっきりいって、僕はこれをどうすればいいか分からなかった。ネットワーク関連の設定を開いて、どうすればいいか分からず途方に暮れてみたり。この時、僕はまだkudzuの存在を知らなかったんですね。
kudzuに気づいたのは、どうしたらいいかあまりに分からないため、戯れに再起動したときでした。起動作業中、突如立ち上がるkudzuというツール。よくよく見てみると、これは新規に取り付けられたハードウェアを、自動認識して設定してくれるようではありませんか。
ちょっと立ち上げてみよ、とばかりに立ち上げれば、本当に全自動でNICの認識が終了。設定画面さえ立ち上がりました。なので、とりあえずIPその他をDHCPサーバから取得するよう設定して、kudzuを終了。Linuxの起動が完了するのを待ちました。
NICの認識と設定が済んでいます、なのでもうネットワークに接続されているはずだと、www.kototone.jpにpingをしてみたりして接続を確認。ちょっと嬉しがってますね。
Vine Linuxの標準ブラウザはw3mというテキストブラウザです。僕は、これに非常な興味を持っていたのです。でも、どうやって操作するのかが分からない。しかたがないので、Netscapeを立ち上げW3M Homepageにジャンプ、場当たり的に操作方法を学習です。とりあえず、URIを入力して目当てのページを開く方法だけ把握して、自分のサイトや知人のサイトをまわって面白がっている。
今回は、ここまで。
Linuxの導入はw3mでのウェブ閲覧が目的ではなくて、ネットワークのいろいろを勉強するため。これはまだ始まりにすぎません。
今後、WindowsとMacintoshの両環境に対応するファイルサーバとプリンタサーバを立ち上げます。具体的にはSAMBAとNetatalkの導入となります。
その後、可能ならばFTPサーバやWWWサーバもと思いますが、まずはLAN環境の整備からひとつずつ段階をあがっていきましょう。慌てても、しかたない。
その前に、Vine Linuxからプリンタを使えるようにしないと駄目ですね。