あずまんがドンジャラ大王

△ちょっとこれはあかんの……ちゃう?

【タイトル】 あずまんがドンジャラ大王
【発売元】  バンダイ
【ジャンル】 TBL
【価格】   2002.4.18発売 \4,800
【ハード】  プレイステーション


 これはちょっといかんだろう。キャラゲーの悪いところがてんこ盛りといった有様で、あずまんがファンでも受け入れられない人もいるのではないだろうか。

 そもそもの問題として、爽快感もめりはりもないのが致命的だ。役の種類も少なく、キャラごとに用意された技も、キャラ格差が激しすぎるために使えないものが多いという印象。おざなりなムービー(か、あれは?)に、全編にわたるもっさりとした進行がとどめを刺す。

 ドンジャラとしては標準的なのかも知れないが、もう少し悪乗り気味でちょうどよい具合になったのではないか。ポリゴン演出のキャンセルや役のエディットができれば、印象も少しは変わったかも知れない。バランスの悪さがあちこちに顔を出して、加えて幕間の寸劇も原作の味わいに遠く及ばないとくれば、一体なにを楽しめばいいというのだろう……

 とまあ、すべてにおいてもうちょっとの頑張りを期待したい、まさに残念作なのであります。

以上400文字でした。


 以下、無責任な感想をいくつか。

良かった点

  1. 戦線に大阪を投入せよ!

     各キャラがそれぞれ装備してる「ずるっこ技」やけど、大阪さえいてくれたらほかにはなんもいらへん。あがったら100点追加、あがられたら50点追徴のハイリスクハイリターン。はっきりゆうて、役なんか全然関係あらへんで。あがったもん勝ちの、大博奕や。

     破産寸前でも、ボンクラーズで203点とって逆転ホームランや。

     負けたら、コンティニューしたらええねん……

  2. 3人合わせて103点

     とも、大阪、神楽を三枚ずつ集めて、ボンクラーズを結成。この役の点数が103点というところに、ちょびっと感心。細かいところにこってるなあ。

     どうせなら、こののりを全編にわたって維持してくれたらよかったのに…… 惜しまれてなりません。

  3. 忠吉さんまで使えるとは……

     使用できるキャラはいろいろおりますが、木村、ちよちちまでは想像していたものの、まさか忠吉さんまで使えるとは思っておりませんでした。

     ラスボスとして出てきたとき、ちょっとびっくり。で、なんか立直からあがりまでが早いねんな。キャラごとに強さって変えてあるんやろか? それともたまたまやったんやろか……


ちょっと困った点

  1. 単調?

     基本的にドンジャラの点数は低めなので、あがっても爽快感がないのであります。役なしだと十数点、役ありでも、簡単なんだったら三十点四十点です。

     この点数で三百点を奪いあうわけですから、ちょっとつまらんのよ。三百点の大王、二百八十点の全員集合Aなんか、どう考えたかって出るわけあらへん。せいぜいがゆかり、ちよ、大阪三枚ずつの恐怖のドライブ(この名前はどうも好かん、せめて「ゆかり車」とかにならへんかったんかいな)が致命的といったところ。でも、そんなほいほい出るもんでもないし、出たとしてもなんぼでも挽回できそうな気分なのが不思議なところなのだよ。

     そもそも、役を狙って出せるもんじゃないところが問題かと。もちろん組み立てや効率を考えはするんやけど、目当ての牌を引く引かないはまったくの運次第で、山牌が少ないもんやから、ちんたらやっとったらすぐ流れてしまう。仕方がないから、手牌にあるのでちゃっちゃと作ってしまうもんやから、しょぼい役がとにかく頻出。

     こんなだから、大阪の逆転ホームランで、大勝負をかけたくなんねん。オーラスの第五戦まで、もつれ込ませへんで。せいぜい第四戦までに、ハコにしたんねん。

  2. キャラ差激しすぎないか?

     例えば、榊さんのずるっこ技は、第一巡目でオールマイティーのちよちちを引けるというもの。ちよちちがあればあがりにはずっと近くなるけど、四十点使ってやるほどのもんではありません。複合役かボンクラーズ以上が出なかったら、良くてとんとん、悪いとあがれてもマイナスです。仕方がないので高い役を狙うと、手がどうしても遅くなるので、相手にあがられる確率も高くなるし、流局する場合ももちろん増える。

     それでも、榊さんはええねん。よみの、立直後一巡ごとに十点追加というのは、一発が出たらもう目も当てられない。

     わかりやすく破壊力の大きい、大阪のずるっこ技がいちばんいいということになるのであります。

     でも、いくらキャラ差が激しくても、仲間キャラをつけることができるので、結局問題はないんですけどね。なので、僕の仲間はいつも大阪。

  3. 役がもうちょっと欲しかったなあ

     役は全部で十六あります。種類はそんな、納得いくのもありますが、時々すごく無理矢理っぽいのもあります、もっとしっくりいきそうなのを入れるべきです、できたら役を作れるようにもして下さい、時々もとネタや役の名前に疑問を感じる気もします……

     でも役が多すぎても大味になること請合いなので、これでよかったのかも知れません……


 買う前から覚悟していたことなので、出来に関しては、今までいってきたほどに不満があるわけでもなく、それはそれで楽しんでプレイしております。むしろ、昔のキャラゲーのイメージそのままの仕上がりがあっぱれ。買って悔い無し、といういさぎよさっぷりです。

 でも、こういう趣を解しない御仁にとっては、きっと悔しいものでしかないはず。なので、そういう人は買わないほうが仕合せかと。僕は、充分満足ですけどね。


ゲームゲームゲームへ トップページに戻る

公開日:2002.04.28
最終更新日:2002.04.28
webmaster@kototone.jp
Creative Commons License
こととねは、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示 - 継承 2.1 日本)の下でライセンスされています。