クリーチャーよりもスペル優位と喧伝してきた「転送×転送!」攻略だが、スペル優位にするとライフフォース一発でへこまされてしまうため、クリーチャーをうまく組み込んでやることが重要になってくる。実際、予選会場ではスペルよりもむしろクリーチャー優位といえる戦いが主であり、戦闘は頻発していた。
とのわけで、今回は予選で見かけたクリーチャーについてお伝えしたい。
バンディット人気については、既にスペル雑観でもアイテム雑観でも書いてきたので、ことさらにいう必要はないだろう。
ライフフォースをかけられても魔力の入手を可能とするクリーチャーであるバンディットは、それこそライフフォース下においてもっとも効果的に運用できる。というのも、コスト40Gのバンディットにコスト70Gのスチームギアをつけて、得られる魔力はST70×2の140G。使用コストを差し引くと30Gしかあがりがない。それがライフフォースによりコストが半減すればあがりは85Gとなり、普段の倍以上の見返りを見込めるようになる。
ビステアに関しては、召喚コストの100Gが半額の50Gになることで、二周回目から既に収入、見返りが期待できるわけだ。
本来的にこれらのクリーチャーは、魔力を得られることも大事だが、それ以上に敵から魔力を奪えるという側面がより効果的に働いている。いいかえれば、儲けを期待できるほどではないのだ。しかし、ライフフォース下では、充分とはいえないものの当座の魔力供給の手段としてより有効に働いてくれる。敵に資金面でのダメージも与え、見返りさえ期待できる一石二鳥の戦略を可能とするのだ。
同様に、ゾンビとゴールドグースの組み合わせも、ライフフォース下であるほうが効率が良くなる。といっても、もともとが安価な組み合わせなので、目立って得するというわけでもないのだが。
Eカード、オムニポーテントの使用が認められるルールのもとでは、「解呪」によるランドプロテクトの一斉解除が可能となることから、土地をスペルから守ることが非常に困難になる。そのため、土地の守りの主力がランドプロテクトから、ランドプロテクトと同様のスペル対象にならない能力を持っているクリーチャーに移り、ケットシーやサンドマンが多く配置されていた。
ペガサスも同様のスペル対象不可能力を持っているものの、HPが20と低く、テンペスト一発で沈んでしまうため見られることはなかった。対して、ケットシーはペガサス、サンドマンに比べても召喚しやすいため、手軽に土地を押さえ育てるための、場所取り要員として活躍していた。
サンドマンは、召喚に地属性土地をひとつ必要とするため、土地がとれないと召喚さえできない。だが、その召喚条件のゆえか、スクロールも無効化するなど土地を守るには有利な点も多く、貫通能力を持つナイトメアが地属性土地に配置不可能ということもあわせて、より守りは強固である。
これらは土地レベルをあげると強いものの、中途半端なレベルだと意外とあっさりと打ち負けてしまう。30ラウンドの間にレベル5の土地をいくつも持つのは至難のわざだろうので、土地を守りきりたいならそれなりの備えが必要だろう。
同一エリア内の地属性の空き地になら、クリーチャー移動を使って自由に移動できる能力を持つドリアードは、土地を押さえるのに非常に有効なクリーチャーだ。地属性土地を押さえるのが容易なので、もしサンドマンを使うのなら、一緒に組み込んで損のないクリーチャーだろう。
しかし、ドリアードの優位はこれだけではない。空き地なら、エリア内のどの地属性土地でも簡単にとれるため、積極的に空き地を作ってしまうスペル、アンサモンなんかと組みあわせることで、うまくすれば楽して高額土地を得ることも不可能ではない。
だがドリアードは、クリーチャーとして見れば決して強いものではない。せっかく取った土地を守るのなら、ドリアードで守ろうとするよりも、もっと土地の守りに適したクリーチャーに交換するほうがいいだろう。
一度死んでもこりずにドラゴンフライになって蘇ってくれるミルメコレオは、やはり健在だった。それこそたとえ一度負けようと土地はしっかり守りきってくれるため、無理に風属性にあわせなくても充分に働いてくれる優良クリーチャー。HPも比較的高いわりにコストは低めなので、値段以上に働いてくれる。
安定は面白くないので嫌いだ、というのならともかく、土地を取って守ってなんぼと考えるのなら外す理由はないだろう。
バンディットの盗む魔力の額は、与えたダメージ×2Gであるため、ダメージを受けなければ魔力は盗まれずにすむ。ライフフォースのもとでバンディットが巷にあふれるだろうと予測したセプターには、その対策として攻撃を無効化するクリーチャーや反射するクリーチャーを入れてきたものも多かった。
例えばそれはデコイであり、またオルメクヘッドである。特にオルメクヘッドはスクロールさえも無効化可能であるため、より守りには適している。だが、攻撃に向いていないゆえかあるいはHPが減るという性質ゆえか、先回の予選では見かけることはなかった。
人気なのはデコイであり、それにアンシーンがちらほらと見られたというところである。
バンディットを予測し無効化クリーチャーが投入されることを予測し、ルナティックヘアを組み込んできているものも少なくなかった。なにしろ、戦闘終了時にSTとHPを入れ替えてしまうため、オルメクヘッドやデコイといった無効化、反射クリーチャー、さらにはアイスウォールなどのSTが0の固いクリーチャーでも、きっちり始末してくれる。
だが、オルメクヘッドが見られないなど、思ったよりST0のクリーチャーが見られなかったことから、それほどの活躍の機会はなかった。
また、デコイを攻める場合、自分の攻撃を反射されて20ダメージを受けてしまうため、運用には注意が必要。デコイが支援効果を得ていたら、倒されてしまうのだ。ボージェスが居ればその心配はないが、果たしてボージェスを組み込んでまでルナティックヘアに頼るシチュエーションが多いとは思えないため、少し中途半端な印象もぬぐえない。