情報封鎖

 現在、情報封鎖下におります。

 といっても誰に強制されたわけでもなく、自ら進んで特定情報を封鎖しているのではあるが。では、なんのためか。それはすべて、ゲームを楽しむためなのであります。

 ゲームの種類にもよるが、先のストーリーや謎の攻略が明らかになることで、楽しみが台無しになる類いのものがある。RPGやアドベンチャーゲームなどはその筆頭格といえるだろう。アクションやシューティングでも、最近のものは筋や効果が凝っているものが多いので、油断できない。つまりは、ほぼすべてのゲームを楽しむために、情報を封鎖してかかる必要があるというわけだ。

 考えてみれば簡単に分かることだ。今では約束のようになってしまったRPGのラスボスの変身。この元祖となったのは、ドラゴンクエストだったろうか。苦労と努力の末にやっと辿り着き打倒したと思った龍王が、そこで本性を現しさらなる強大さでもって立ち上がったときの驚き。これが事前に説明済みのネタバレだったら、拍子抜けも甚だしい。だが、今や情報が氾濫する時代。情報を求めてゲーム専門誌を読めば、発売前から攻略記事が載っている。欲しいソフトの情報を求めるのは、ひとえに期待をふくらませ妄想をたくましく育てるためだ。なのに、そこにもネタバレがある。

 久しぶりの新作ソフト購入を心待ちにして、情報封鎖はほぼ完璧かと思われた。登場キャラの名前もうろ覚え、記事を読んでいないためだ。ネットも抑制していい感じ。だが、攻略本の宣伝にネタバレがある可能性までは気づかなかった。思わぬ地雷を踏んで、モチベーション一気に降下。とりあえず見なかったことにするために自己洗脳するものの、それでも見た事実は消えない。かなり嫌な感じ。コノウラミハラサデオクベキカ。

 某大作RPGの発売日に、車内でその攻略本を読みふけっている若者を見た。楽しみは個人個人で違うのとはいうものの、それってなんか損してないか?


壊れ、そして落ちてゆく世界へ トップページに戻る

公開日:2001.07.27
最終更新日:2001.08.29
webmaster@kototone.jp
Creative Commons License
こととねは、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示 - 継承 2.1 日本)の下でライセンスされています。