ふと昔のゲームについて知りたくなったので、ちょっとネットで調べてみたが、情報といえるものには行き当たらなかった。だが、もしかしたら電子会議室やなんかに、誰かがなにかを書いていてくれるかも知れない。それを取り寄せればもしや、と思われたため、過去ログの海に潜ってみることにした。幸い、@niftyのTTY会議室のいくつかは、過去ログを保管してくれている。
ゲーム関連フォーラムにいくのは簡単だが、調べるとなると少し手間取った。普段は自動巡回、コマンドなんか忘れている。少しずつ思いだしながら会議室ログライブラリに入ると、機種とジャンルをキーワードに、該当するアーカイブの一覧を呼びだした。
そのゲームの発売日は1999年。余裕をみて、98年末頃からのデータを指定する。そして表示された詳細情報をみて、僕はしばし感動するのだった。
会議室名と日時に続き、話題となったゲームタイトルの一覧が流れてくる。覚えているものもあれば、忘れたもの、そもそも知らないものもある。だが、それらの名前の向こうに、熱狂した往時の記憶が透けてみえる。もう手にもしないゲーム、棚の奥にしまい込まれたタイトル。だがそれらは、かつて僕たちの前にいきいきとした姿を見せたはずだ。
タイトル一覧に、目当てのゲームを見つける。ダウンロード手順は、今やもう懐かしのBPLUSだ。LHA圧縮されたファイルを展開し、エディタで開く。すると、あの時そのままの時間、空間が、一気に流れ出してくるかのようじゃないか。
目当ての情報は見つからなかったが、僕はそれでも満足だった。当時の空気と人と、そして自分自身の足跡を、そこに見いだしえたのだから。
だが不安は残る。@nifty売却の噂。売却の果てにTTY会議室は捨てられるのではないか? 時代遅れにみえるものの、これらは今も生きているのに。折り畳まれた時間の中に、多くの声がひしめいているというのに。