幻獣を倒しすぎたのか、一向に戦闘がなく、スカウトというある意味前線にあってこそ輝く職業に生きんと志した決意はなえ気味です。速水指令の時代は毎日のように出撃があって、それはそれで辟易したものだけど、こうも戦闘から離れた日々に慣れてしまうと、毎日がつまらなくなるもので、人間とは勝手なものです。
戦闘が起こらない以上、クラスのみんなが仲よくなるようなイベントをプロデュースするくらいが関の山。ちまちまと交流会やらなんやらに引き続くイベントを企画していくこととしましょう。
とはいえ、部隊からはふたりの欠員がいるわけで、そのへんが寂しいなあ。
いきなり王様ゲームからはじめようという四月第二週。深刻な雰囲気に支配された会議に、王様ゲームをかけるとは、現実ではまあ無理な話。
いくらなんでも通らないのではないか、とくに壬生屋、と思いながら皆の意見を聞く。そうしたら、壬生屋が、原が、小杉が賛成。というか満場一致の賛成で王様ゲームは議会を通過した。というか、大丈夫かこの小隊は。
各員始末書を用意し、ホームルームで王様ゲーム。王様は鬼ヅモの芳野先生。王様付きの大臣は、自分だった。命令は、芳野先生にチャイナドレスをプレゼントするというもの。チャイナドレスの調達自体は雑作もないが、プレゼントすることによって愛情値が上り、争奪戦の火種が増えることに危惧を覚える。
昼休みに入るとすぐさま裏マーケットへと走り、チャイナドレスを購入。職員室で芳野先生をつかまえ、無事指令を果たした。以上を本田先生に報告すると、呆れられたうえ手作り勲章を贈られた。
なかなか面白い催しだったので、またやろうかと思う。
小隊全部の人事が確定した現在、いちいち仲間の技能を確認する必要はないのだが、ついつい習慣づいてしまっていて、滝川の技能を確認する。すると、今になって整備技能を取得していた。お願いだから、もう少し早くこれを取得しておいて欲しかった。つくづくそう思う。
その滝川がいうには、瀬戸口がののみに告白した模様。大丈夫か、やばいんじゃないか、というか犯罪じゃないかと思いながらも、火種が減ってくれるのならそれに越したことはない。よくやった、瀬戸口師匠。
狙撃技能をレベル3に上げた。
今日は募金活動。今日も全員一致で賛成で、皆からの狩谷指令への友情値が徐々に上っていきます。この作戦で、狩谷指令を三国一の人気者にしようかと思ったりして。
さて、募金活動。街頭に出て募金を募るのは、まあ悪いことじゃないけど、それほど楽しくはなかったかな。暇で仕方がなかったら、またやろう。
本当にすることに欠いたのか、金はうなるほどあるのに、裏マーケットでバイトをする。二時間働いて八千円。時給四千円か、かなりいいな。
学校をうろうろしていると、ののみにファンですといわれてしまった。とはいうものの、ののみはまだ先達ての争奪戦から立ち直っていないはず。気まずい雰囲気の中、新手のいやみかと思ったりしながら、あやまってしまった。しかし、なんであやまらんといかんのじゃと、憮然たる思い。
東京へ発った善行から狩谷指令に通信があったようだ。そういえば、善行が去ってから一週間。時間が経つのは速いものだと思う。
石津とデート。ボウリングへ行った。石津の「えい……」という声が、とてつもなく可愛かった。それだけのためにまた来ようかと思う。わたくしのせいで、すっかり駄目になってしまった来須。ごめんよ。
昨日大量にあらわれた幻獣で持ち切りの中、善行の派遣してくれた応援が届いた。彼も戦っているのだと思い、じんとする。
大ニュース。タキガワスキーが弁当を持っていた。今まで昼に皆を味のれんに誘っては断られていた彼なのに、今日に限って弁当? もしかして彼女でも出来たのだろうか。以降、要調査対象である。
昨日の今日、月曜から石津をデートに誘う。もうすっかり軟派になってしまった来須。ごめんよ。君のせいじゃないんだ。
とまあ、そういった性質がたたったのかヨーコと石津の争奪戦が勃発。いいかげんにして欲しいぞ、たいがい。もう慣れてしまって、石津にだけあやまるのは毎度のこと。ヨーコは放置しておこう。
久々の出撃。八代戦区に赴き、全三十二撃墜中、十体撃墜にとどまった。もう少し、40mm高射機関砲に慣れてやらなければならないだろう。
模範演舞の練習を議会にかけて、相変わらず満場一致で通過。今日は半分休みみたいなもんだ。
こんな毎日だと、戦場に行くことなく自然休戦期にまでたどりつけそう。すっかり戦いを忘れてしまい、鈍るばかりの日々。いけないなあ。
瀬戸口は確かにののみとつきあっていた。朝、彼の荷を覗くと、ののみの手作り弁当が確かにあったのだった。で、現在の焦点、滝川はどうかというと、弁当……持ってないねえ? どういうことなんだろう。引き続き、観察を続けよう。
最近、争奪戦が日常化しようとしているかのごとく頻発している。そして、その火種は既に一つや二つではなく、芝村、壬生屋、加藤を筆頭に、続々と火種は増え続けていて、はらはらの日々だ。
というわけで、岩田を仕事、訓練につきあわせたのだった。目的は彼の持つ密会技能。これを手に入れれば、争奪戦発生は押さえられるはず。そして念願の密会技能を、立て続けに教えてもらい、レベル2まで獲得した。
しかし、石津は密会技能をちっとも教えてくれません。というのは、やはり恋人が密会しちゃ困る、ということで教えてくれないのでしょうか。