【タイトル】 プルムイ・プルムイ
【発売元】 カルチュア・パブリッシャーズ
【ジャンル】 RPG
【価格】 1999.9.14発売 \3,000
【ハード】 プレイステーション
相棒のムイにお菓子をあげると橋やはしごに変身。その能力で冒険を阻む障害を乗り越えていくという設定が妙に平和的で、ゲーム全体にほのぼのとした雰囲気を与えています。変身はお菓子の種類によって決まるので、お菓子のレシピ探しと材料の収集、調理がこのゲームの基本になります。
冒険の場は、村人たちと話し材料を集めお菓子を焼くフィールド、モンスターと戦うダンジョンに別れています。ダンジョンでのアクションシーンと謎解きの部分は別れているのはいい感じです。フィールドには敵はいないので、材料や情報集めに専念できるのです。またアクション自体も難しいものではないので、アクションゲームが苦手という人もきっと大丈夫でしょう。気楽にしすぎるとあっさりやられますが。
でも実は、ポケステのミニゲームが妙に難しかったりします。クリアするごとにお菓子のレシピ(本物)が表示されるようになるので、お菓子好きの人は頑張りましょう。
以上400文字でした。
以下、無責任な感想をいくつか。
三千円という値段は、かなり意欲的だと思います。今でこそ千五百円のシリーズが普通になっていますが、このゲームの発売されたその頃は、廉価版はそれこそ過去の技術をアレンジしたものがほとんどで、新作を低廉な値段で出してくるというチャレンジ精神を発揮してくれたことに敬意さえもよおしたのでした。
大作や二作目ものばかりがセールスを記録するなかで、あえて一作目の価格を抑え、次へ繋げようというその意欲を僕は買ったのです。
ムイの変身は、変身前のムイから変身後のオブジェクトへと、ポリゴンキャラが滑らかに変化していきます。この変身に使われている技術はモーフィングといい、これはタイトルにも謳われています(モーフィングRPGだそうです)。このモーフィングはこのゲームのために開発されたモーフィングエンジンによるものだそうで、それだけ開発者はモーフィングというものに思い入れを持っていたのでしょう。
しかし、モーフィングこそがこのゲームの売り、なのでしょうが実は地味です。地味であまり目立たないところが少々寂しいのですが、こういう一番力を入れてるところがさりげなくあまり目立たないというところは、妙に力んだものよりもずっと好きですけどね。
主役のマドカを始めとする登場キャラクターが結構可愛いです。解説書やパッケージの絵は少々癖があるのですが、本編中のポリゴンキャラは素直な出来で可愛くていいです。
このへんは、恐らくこのソフトの対象ユーザーであるところの、女の子の嗜好に合わせたのでしょうね。
ポケステのミニゲームをクリアするごとに新しく表示されるお菓子のレシピ。かなり出来がいいです。というか、エンドロールを見るとレシピ作成者がしっかりクレジットされています。
けれど、ミニゲームの難しいものは、もうめちゃくちゃ難しいです。タイミングの勝負なんですが、結構シビアなのです。難度挑戦したことか。
上記レビュー本文でいっていますが、僕はお菓子好きなので頑張って全部クリアしましたよ。
クリア後のおまけとして、本編未使用ムービーが流れます。ですがこれが未使用どころか、全くストーリーの違うものだったりして、このゲームの難産ぶりがうかがえましたよ。
でも、そういったムービーをおくらにするんじゃなくて、未完成(声が入っていない)にせよ収録するところに、製作者の愛を感じましたね。
細かいところをいえばそこそこあるのですが、特筆するほどの悪い点というのはなかったように思います。ボリュームも、薄味に感じられますが、そこそこありますし、世界観は妙に穏やかでいい感じですし。ただ敵なんかはもうちょっと手ごわくても良かったかな、特にラスボス、とは思いました。
それと戦闘中に切り替えることによって攻撃効果を変更できるメダル。もうちょっと差別化が明確でも良かったかな。
でも、どれもこれもささいなものです。
ハードなゲームを求めている人にはお勧めできませんが、気楽に世界観ごと楽しめるようなゲーム、というのならかなりうってつけですよ。