ガイアマスター〜神々のボードゲーム〜

△戦略よりも勢いがものをいう

【タイトル】 ガイアマスター〜神々のボードゲーム〜
【発売元】  カプコン
【ジャンル】 TBL
【価格】   2000.4.13発売 \4,800
【ハード】  プレイステーション


 モノポリータイプのボードゲームに、カードバトルの要素が加わったガイアマスター。同種のゲーム、カルドセプトとは一癖も二癖も違うまったく別のものに仕上がっています。

 その原因は、プレイヤーキャラクターに備えられた特殊能力、ラッキーの存在でしょう。ところが、このラッキーが少し強力すぎるのは困り者。ラッキーの種類と発生するタイミングによっては、ゲームのバランスを破壊、戦略や積み重ねを一撃で反故にするほど強力、凶悪です。

 カードの入手は、周回時と、特殊マス、自分の土地に建てたショップに止まったときであるため、土地が少ないほど不利。カードを手に入れる確率も通行税の上がりも少ないため、終盤で所有土地数に差があると逆転はまず不可能です。金のあるものほど強いというある意味現実性があってやり切れません。

 少々バランスは悪いですが、パーティーゲームにはよいでしょう。細かいことは無視して、楽しんだもの勝ちです。

以上400文字でした。


 以下、無責任な感想をいくつか。

良かった点

  1. 対人戦が面白いんじゃないかな

     対コンピュータ戦では、特にストーリーモードでは、ストレスがたまりまくることもあります。というわけで、おすすめは対人戦です。タッグプレイも可能なので、二人ずつでチームを組んで団体戦というのもお勧めです。

     ということで、対人戦をわいわいと楽しむのがこのゲームの本質でしょう。終盤で逆転劇、というのはなかなか難しいのですが、結構さくさくと進むゲームなので、たくさんの人間でプレイするのもいうほど苦になりません。

  2. キャラクターに癖がある

     はっきりいって、変なキャラクターばっかりです。それだけで笑いがとれるというもの、やっぱ人いっぱいでやるのが楽しいゲームでしょう。

     出来れば好みのキャラクターでプレイできると最高。僕は……残念なことに好みのキャラクターがいませんでした。


ちょっと困った点

  1. 戦略が立たない

     まったく立たないわけでもなく、戦略を立てたほうが有利なことは確かです。けれども、ラッキーの要素が戦略を反故にします。また、カードの入手等はまったくのランダムで、カルドセプトのような仕込みがないので、事前に展開を予想してそれに対応した戦略を、というのは不可能です。

     その場その場のアドリブ、まあ戦略よりも勢いでいく必要があります。

  2. ストーリーモードがたるい

     ストーリーモードでは、決められたクリア条件を満たさなければ勝利になりません。その中で、最も困るのがティアラ三人と戦う面と、対戦相手全員を破産させるという条件でしょう。

     ティアラの特殊能力は、ランダムで土地を入手できるというもの。空き地があるときは空き地を優先的に、空き地がなくなると他人の所有土地を奪いにかかります。ティアラのラッキーの発現率は低く押さえられているものの、そのティアラが三人もいるのでは、まったくもって悪夢です。

     勝利の鍵は、ティアラをとにかく破産させて、土地を放出させ空き地を増やし、人数を減らしていくことになります。ですが、これもちょっと運の要素が大きいですよね。高ストレス下で戦うのは、嫌になります。

     対戦相手を破産は、実に運任せです。というのも、ダイス目をコントロールするカードは自分にしか有効ではなく、敵のダイス目を左右することが出来ないからです。よって、カルドセプトでいうところの、ホーリーワードで敵を自分の高額土地にはめるという技が不可能です。

     ならば長期戦に持ち込めばいいと思いますが、それもまた不可能。実はターン制限がありまして、百ターンを越えて戦うことは出来ないのです。

     これははっきりいって、運任せです。正直、嫌になることの多かったシチュエーションでした。とはいえ、ストーリーモードで、上記の対ティアラ三人戦以外で負けたことはありませんが。

     運が良かったんですね。


 厳しい文言が目立ちますが、決してゲーム自体が面白くないわけではないのです。むしろ、カルドセプトに敷居の高さを感じた人には、こちらの方が面白く感じられるのではないでしょうか。

 また、気軽に楽しめて、勝ち負けをそれほど気にしない人なら、きっと楽しめるはず。

 勝ち負けを気にせず楽しめる友人がいるなら、これはお勧めです。


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公開日:2000.10.29
最終更新日:2001.08.29
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