【タイトル】 スキャンダル
【発売元】 SCEI
【ジャンル】 ADV
【価格】 2000.6.29発売 \6,800
【ハード】 プレイステーション2
あの「やるドラ」シリーズが、メディアをDVDに変えPS2ソフトに登場。アニメーションのクオリティは凄いのひとこと。OVAソフトと較べて遜色のない出来、とにかくよく動きます。
しかし、それ以上のものがあるかといえば大変疑問。登場キャラクター、ストーリー、見せ方ともに非常におざなり。よくある形式を流用したかのような、非常に大雑把なものとしか思えません。事件の真相、主人公のモチベーションなどもありきたり、ドラマの細部は適当。これをあえてリリースした意義が見出せないほどです。
本編がありきたり、大雑把なら、期待するのはサブシナリオだったりしますが、サブシナリオもかなりおざなりな内容。出すのも簡単、出たら後は見るだけという。同じやるのなら、とことん羽目を外して欲しかったです。
結局のところ、ゲームとしても不満のある内容、ドラマとしても見るところのない、やるドラの今後のセールスに不安の兆す一本です。
以上400文字でした。
以下、無責任な感想をいくつか。
これは僕が待ち望んでいた、ぜひ主人公を前面に立てて欲しいという希望が達成されたわけです。これはちょっとうれしい。
主人公がしゃべらない、さらには画面に出てきもしないというゲームは多いですが、やるドラが、やるドラマというのなら、ぜひ主人公の参加が必要だろうと思っていたのです。
いやあ、よかったよかった。でも、肝心のドラマ部分がねえ。
やるドラは達成率が重要です。というか、最終的に達成率を上げるのが目標になってきます。ところが今までのやるドラはひとつのシナリオを終えて、そのファイルを継続してという積み重ねが必要でした。つまり、シナリオの終わりの方の達成率を上げるためには、何度も何度も同じシナリオをクリア、一パーセントにも満たない選択肢を潰して行くほかなかったのです。
ですが、今回は達成率はクリアファイルとは別個に存在するシステムファイルに記録されます。つまり途中セーブを作って、そこから選択肢を潰していくことが可能になったのです。これは、非常にうれしい。待ち望んでいたシステムだといえるでしょう。
とはいえ、内容が内容なため、全シナリオクリアもしていないのは別の意味で問題でしょう。
やるドラのシリーズは、このスキャンダル以降も続いていきます。一応乗りかかった船ということで買っていくつもりですが、それにしても今回のはあまりに駄目です。
PS2で早く出すため急いだという、商業的理由は判るつもりですが、それで中身を蔑ろにしたというのでは、本末転倒ではないでしょうか。以降のセールスにかなり影響するだろう出来。正直参りました。