世界樹の迷宮

迷宮及びマッピングについて

 私が『世界樹の迷宮』を買おうと思ったのは、これが地下迷宮に潜り、マップを書くということを要求するタイプのゲームであると知ったからでした。要求するというのはどういうことかというと、マッピングという作業がゲームに組み込まれているというとそれっぽいのではないかと思います。これはもう説明するよりも見ていただいたほうが早い、ということで公式Blogの記事を紹介しておきたいと思います。

タッチペンでのマッピングは

 DSが上下二画面あるというその特性を利用して、上画面に3Dで描画された迷宮を映し、そして下画面にマップを表示するという、そういうやり方です。そしていかすのが、下画面のマップはプレイヤーがタッチペンを使って書いていくというその仕組みです。新たに足を踏み入れた階はまだマップもなにもない、まっさらの状態で、そこに壁を書き、地面を塗り、そして階段、扉、敵(F.O.E)、宝箱といったオブジェクトを配置していきます。各種オブジェクトにはメモをつけることもできるから、自分なりの覚書を残すというのもよさそう。そして地図ができあがる。ここに、オートマッピングでは得られない、自分で地図を書き終えたという達成感が生じるのでしょう。この一マス一マスを、確かに私は踏破してきたのだと、そういう実感が得られるシステムはなかなかに人を病みつきにさせるものがあるように思います。

 プレイする前、このタッチペンで地図を書くというのはどういったものだろうかと、少し疑問に思っていたのでした。なにしろ私は『世界樹の迷宮』がはじめてのDSのゲームですから、タッチペンでの操作がどういうものか知らず、もし書きにくかったり操作しにくかったりしたらいやだなあと、そのように思っていたのでした。けれどプレイしてみれば、それはまったくの杞憂と知れて、なんというか、めちゃくちゃマッピングしやすいんですよ。確かに、マッピング中は拡大マップ表示になるために見通しが悪いなどの問題はありますが、けれどそんなの本当に些細なことです。むしろ重要なのは、定規も消しゴムもいらないというところで、ペンツールでちょいちょいと線を引くと、ぴしっと整った線に置き換わってくれる。塗りツールへの持ち替えも楽々で、マスをタッチすればきれいに面塗りしてくれるのはそりゃもう当たり前。オブジェクトをパレットからドラッグして配置するのも楽。マウス操作よりもずっと楽と、そんな風に思えるくらいの快適さです。

 ただ、ちょっとマッピングすること自体は簡単かも知れません。作業を簡単にしている要因は、マップ上に自分の現在位置が表示されるという点、どの方向を向いているかも一目瞭然であるという点、そしてこれらの特性があるために、ワープや回転床といった類いの、マッピングを混乱させる罠が使えないという点でしょう。けれど、確かにこうしたデメリットはあるけれど、マッピング自体は楽しいから、当座問題になるようには思いません。むしろ、オートマッピングになれた人がマッピングの楽しさを知るというメリットの方が大きいのではないかと思います。

迷宮は

 迷宮はというと、思っていた以上に整然として、左右対称であるとか、そういうパターンがあるから見通しが立てやすいように感じます。けど、それはつまらないということではなくて、見通しが立つからこそその見通しを裏切るような仕掛けもできるということで、こういうところはなかなか悪くないかも知れないと思っています。

 迷宮探索を思った以上に楽しく感じさせるのは、目に見える敵、F.O.Eの存在であろうかと思います。F.O.Eは3Dダンジョンでは火の玉のように、マップにおいては紫の丸で表示されて、しかし基本的にこいつらは自分の踏破したところでないと見えないんですよね。F.O.Eに近づくとキャラクターはその気配を感じるようにできているから、扉の向こうにどうやらなにかがいそうだと勘づくことが可能です。で、扉の前をうろうろしながら踏み込むタイミングを計って、いざ敵の気配が弱まったと見て踏み込んだら、なんと三体もいやがった! 逃げろ! エンカウントしたら終わりだ! と、このようなスリルを味わうことができるのです。

 F.O.Eがいるために、マッピングをスムーズにおこなうことができず、またその思うようにいかないという感覚が、迷宮探索をより面白く感じさせている。『世界樹の迷宮』は、そういった不都合や不自由が面白いと感じられる、非常にまれなゲームであると思います。

メモについて

 私はどうやらメモ魔のようで、ここで倒したF.O.Eはなんだったとか、この宝箱からでたアイテムはなんだったとか、いちいちメモを付けていたのですが、そうしたら地下六階の時点でメモを使い果たしてしまいました。わお、メモって無限につけられるわけじゃないんですね!(当たり前だ)

 どうやらこれからは、どういうものにはメモを付けて、どういうものにはメモを付けないといった、そういう選択が要求される模様です。ううむ、ちょっと残念だなあ。迷宮で起こったすべて、迷宮で出会ったすべてをメモとして残したかったんですが、けどこれも仕方がないと受け入れるほかないでしょう。


世界樹の迷宮について :Index 「世界樹の迷宮」足跡を刻みつつ前進

公開日:2007.02.07
最終更新日:2007.02.08
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