1998年の日々思うことなど、この原点は手紙です。それもひとりの人間に対して三ヶ月もの間、一日の漏れもなく出された手紙から抜きだされたものです。もちろん私信という性質上、こういう公になる場に掲載できないものもあります。しかし、固有名やプライバシーにかかわらないものもあり、比較的一般性を持ちえていると判断されるものは、ここにこうして掲載することにしました。
手紙は今ではまれにしか書かなくなりました。それに、上に記した手紙は、最初にここまでは書くと決めた百通目を最後に、以降は書かれていません。手紙を書くのをやめた今も、日記として日々あったことを記してはいますが、誰かになにかを伝えるという性格から開放されきってしまっている今の日記には、人に見せるような意味などあり得るわけもなく、結局日々思うことなどはこの日記のシリーズに始まり、ここで終わってしまったとしか言い様がないのです。
「音楽之友ホール」に関する三本は、学部生時代の友人に誘われてリコーダーを吹いた時のことを書いたものです。「遅まきながら演奏会の模様です」で書いたように、この催しは実は演奏会ではなかったのですが、まあそれはそれで面白かったかな、という感じです。
なお、書かれた日付の記されていない「こととねのこころね」は月刊を目標とした初代「こととね」の創刊に際して、また「初めに言があった、そして、、、」は僕のWebページの前身となった「こととね」の連載エッセイの第一回目として書かれたものです。初代の「こととね」自体がその第一号目を完成することなく終えてしまったので、これらもこの第一回目をもって立ち消えとなりました。
僕にとっての1998年は、始まりと挫折の一年、でした。
28.7.2000