フランスでは、クリスマスに「風よ吹け」を歌うけど、日本では日本語で「ジングルベル」を歌います。今日は、日本のクリスマスのお話。
僕は、多くの日本人と同様、クリスチャンではないので、クリスマスを祝ういわれがありません。僕たちにとって、クリスマスとは家族や恋人達のお祭りで、消費をあおるイベントに過ぎないのです。結局のところ、僕にとっては退けられるものに過ぎません。
その日、僕はいつもと同じように、働きにいっていました。前の夜は、年賀状のために古いプリンターと格闘していました。仕事が終わって、コンピュータショップにおもむきました、新しいプリンターを買いにです。
帰り道、電車から降りて、車で運んでもらおうと呼んだ父に、荷物をあずけました。
僕は自転車です。風が吹いていました。強くて、冷たい風でした。向かい風の中、フードをかぶって、はなをたらし、そして歌を思いだしました。
――風よ吹け
そして気付いたのです。今日はクリスマス。
(初出:Les douze mois au Japon, mais selon moi,オリジナル:フランス語)