同僚の言によれば、ある問題が四月一日に起こったそうだ。無慈悲にも集中暖房が止められた。我らが大学機構が忠実に規則を守ったのだ。しかし京都の四月はまだ寒い。それゆえ我らが教授陣は怒り、抗議のために事務室に詰め寄った。その場に立ちあっていないので詳しくは知らないが、彼らの怒りは想像できる。帰った人さえいると聞いている。
四月二日、研究室には二台の電気ストーブがあった。その日は寒かったので、我々はそれらを必要としたのだ。ストーブはよく働いてくれた。コンピュータもコピー機も働いて、そしてブレーカーも働いた。仕事にならない。
次いで、石油ストーブがやって来た。しかし、彼は働くことなしに去っていった。貴重書を傷めるという咎により追放されたのだ。
戦いは長引き、結局は教授陣の勝利に終わった。集中暖房は復活した。しかし、気温がある一定の値を下回らないかぎり、働くことはないのだが。次長は毎朝温度計を手にさまよい、暖房がつくことはついぞなかった。
すでに世は春を謳歌している。大山鳴動して鼠一匹。
(初出:Les douze mois au Japon, mais selon moi,オリジナル:フランス語)