すべての民族は、忘れえない記憶を持っている。日本人にとっては、1945年の広島、長崎の日々がそれだろう。この二つの都市は、原爆によって破壊されたのだ。
わたしの世代は、直接的に第二次世界大戦を知っているわけではない。しかし、わたしたちは知識としてそれを知っている。教育から、資料から、テレビやラジオの番組から、本、そして漫画から、愚かさや空しさ、良心の呵責とともに、戦争のことを知ったのだ。それが加害にせよ被害にせよ、大量殺戮は人間の理性に疑いを抱かせるに充分だった。
核兵器は、もっとも残酷で非人間的な罪の一つだ。人間が持つにはあまりに大きすぎる力であり、それはただ地上に地獄を生みだすだけだ。広島と長崎の犠牲者は、放射能による後遺症で今なお苦しんでいる。もし、核を力と見なすことをやめないならば、この悲劇はなおも繰り返されるだろう。わたしたち人類は、罪を彼らに背負わせはしたが、未だに罪人であり続けているのだ。
(初出:Les douze mois au Japon, mais selon moi,オリジナル:フランス語)