インド西部大地震、今日で一週間

 台湾、エルサルバドルと立て続けに起こる地震。他人事といっても差し支えないかも知れないほどの遠隔地の出来事にも関わらず、否応無しにフラッシュバックしてくる神戸の大震災。直接の罹災はしなかったものの、被害に遭った知人は多く、家屋が全壊したもの、身内を亡くしたものとその内容も様々だった。通っていた大学も、時間が時間だったので怪我人等は出なかったものの、ガラスがことごとく割れ、また天井も落ちるなど、震源から離れていたにも関わらず被害を受けた。震源に近いところでは、その被害がどれほどだったか。思いだすごとに痛ましさのよみがえる。

 それでも、まだ神戸はましだったかも知れない。死者重軽傷者も多く、実際に被害にあった人からすれば、なにを勝手なことをいっているのかと、この言動が誤解を招きかねないことはわかっている。しかし、電車で数時間の距離に物資の有り余るところがあり、片寄りもあり一概には言えないものの、救援物資の供給も豊富だったと聞く(もちろん万全ではなく、物資のまったく回らないといっていいほどの場所もあったことは知っている)。

 だが、それほどの環境にあった神戸の地震が、人々の心に傷跡を色濃く残し、未だに扉の閉ざされた部屋で眠れない知人もいるほど。決してあの地震は過去のものではなく、また良し悪しというような量的に区分できるものではない。実際、なんら被害のなかった僕でさえ、一旦は自分の学んだことに大きく疑問を抱き、捨てようとさえ思い、さらにはあまりの無常観の強さに、空虚な目を今も捨てられずにいる。

 ならば実際に罹災した人にとっては、あれはいかほどのものだったろう。

 インド西部で二十六日午前八時五十分に起きた地震から、今日で一週間が経った。死者は一万二千人を超えてさらに増加する模様であり、また生き残ったものにしても、粉塵の真っ直中に仮設テントともいえぬ粗末な天幕の下に寝起きをしている。重機が少ないため瓦礫の撤去は進まず、仮設テント、住宅のみならず、医療、食料、医薬品といった物資も乏しい。そしてなにより、人手、人員も不足している。

 だが悲しいかなインドはあまりにも遠く、はやる心とは裏腹に手は届くべくもない。世のため人のために動きたいとは思えど、出来ることはあまりに少なく絶望的にさえ思う。だが、あまりに世界から遠くありえるだけでなく、こんな僕でも瀬に降り世界に参加したいと思った。

 神戸の震災の時には、手の届く距離にいながら結局参加しえないまま終えた。それは今悔いとなって残っている。だから僕は青く、真っ直ぐ前を見据え、たとえわずか少しであろうと動きたいと思う。


インド西部大地震、ボランティア関連リンク

 
NHKボランティアネット
インド西部大地震関連情報
AMDA(アムダ多国籍医師団)
インド西部地震災害 緊急医療救援
日本赤十字社
インド地震救援
神戸新聞
インド西部、エルサルバドル地震・義援金受け付け一覧

インド西部、エルサルバドル地震・義援金受け付け一覧

 被害が広がるインド西部大地震やエルサルバドル地震に対し、兵庫県関係の団体が次々と義援金などの窓口を開設し、支援を呼びかけている。主な窓口と振込先は次のとおり。

インド西部大地震兵庫県義援金募集委員会

県、被災10市10町、議会、在兵庫インドコミュニティーなど50団体。みなと銀行本店(普)1630227。さくら銀行本店(普)3646507「日本赤十字社兵庫県支部インド地震」でも受け付ける。

インド西部大地震・救援委員会

NGO、NPO、生協、YMCAなど22団体(30日現在)。郵便振替00960―2―12443「災害救援委員会」。通信欄に「インド地震支援」か「NGO災害救援金(ほかの被災地支援にも活用)」かを明記。硬貨を集める「ワンコイン運動」も展開中。TEL078・574・0701

神戸新聞厚生事業団

郵便振替01160―6―87959(通信欄に「インド西部地震」か「エルサルバドル大地震」かを明記)。現金書留や持参も受け付ける。TEL078・362・7150

神戸21世紀・復興記念事業事務局「神戸からの感謝の手紙」

郵便振替00990―2―35847(通信欄に「インド西部大地震カンパ」「エルサルバドル大地震カンパ」の別を記入)

神戸市社会福祉協議会

みなと銀行神戸駅前支店(普)1520009「神戸市社協インド西部大地震」。TEL078・271・5306

日本災害救援ボランティアネットワーク

郵便振替00950―3―150768「NVNAD海外支援口」か、さくら銀行西宮支店(普)7022170「NVNAD海外支援口」。TEL0798・36・9900

コープこうべ

郵便振替00920―9―103886「コープこうべ福祉・ボランティア部」。通信欄に「インド地震」と記入。全店舗に募金箱設置。

グジャラート地震救援基金

みなと銀行布引支店(普)1515081 「グジラツト アースクエク リツリフフアンド」。在神インド人実業家、スレッシュ・K・ラル氏がインドの信託団体を通じて行っている救援物資輸送の資金に充てる。

日本レスキュー協会

郵便振替00930―2―22901。現地にレスキュー隊員と災害救助犬を派遣中。TEL06・6852・4900

アジアアフリカ環境協力センター

郵便振替01190―6―15837。物資は段ボール箱に入れ、〒650―0041 神戸市中央区新港町第2突堤G上屋、トレーディアへ。いずれも支援国名を明記のこと。TEL078・392・3986

アジア協会アジア友の会

郵便振替00960―6―10835「アジア協会アジア友の会」。(通信欄に「インド地震」と明記)。インド中部の提携団体から、同協会派遣のボランティア古家後葉子さん(23)=篠山市=ら5人が緊急物資を被災地に運んでいる。TEL06・6444・0587

(掲載日: 20010131 )

神戸新聞「インド西部、エルサルバドル地震・義援金受け付け一覧より転載)


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公開日:2001.02.02
最終更新日:2001.09.02
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