占い師、一日目の終わり

 はー、しんど。にわか占い師、一日目の終わり。

 今年はたった一人での営業だったので、客入りを少しでも減らそうとビラもまかなければ張り紙もしなかった。なのにそれでも開店と同時にお客さんが入って、途切れず続くこと七時間。食事どころか、トイレに行く暇さえなかった。お客様がついてくださるというのは、実に有り難いものです。お客さんのほとんどはリピーターで、ほかには口コミで来たという人が多数。よく当たる占い師さんという話で大変恐縮、というかまったくもってプレッシャーだって。

 リピーターさんが多かったおかげで、占われるのに慣れた人が多く、このへんは有り難かった。事前にテーマを決めてきてくれている。これだけのことで、スムーズに占うことが出来るのだ。

 タロットは、漠然とした相談を扱うのには向いていない占いだ。すべてをお任せでというなら、むしろ星占いの方が得手だろう。タロットは、時期を特定するのにも向いていない。それも星の方が得手だろう。タロットがよく扱うのは、あるひとつのテーマにおいて、向後どのような傾向が現れるかという、いわば台風の進路予想に似たものなのだ。だから、占われるテーマがしっかりしているのは有り難い。

 リピーターさんのうち、たしかにしっかりと覚えている人が何人もいた。過去の占いの結果を引き合いに、今年の占いをする人も多かった。印象に残っている占いは、一年や二年では忘れない。意外なほどの記憶の明確さに驚くと同時に、やはりカルテを作成すれば、それだけ緻密な占いをすることが出来るのではないかと思うのだった。

 全然宣伝しなかったおかげで、知る人ぞ知る店になってしまった。去年来て、今年来てくれた人は、来年も多分来てくれるだろう。となれば、来年もまたこんな感じで営業するのだろう。その前に、明日、早く起きないと。来年も、明日も、また来るといってくれているお客さんがいるのだ。ありがたい、心から。


日々思うことなど 2001年へ トップページに戻る

公開日:2001.11.02
最終更新日:2001.11.02
webmaster@kototone.jp
Creative Commons License
こととねは、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(表示 - 継承 2.1 日本)の下でライセンスされています。