早稲田大学文学部の創設者であり、シェイクスピアの翻訳で名高い坪内逍遥を記念して創設されたのがこの演劇博物館。取り扱う範囲はシェイクスピアや坪内逍遥にはじまって、日本の民俗芸能や近現代における芸術運動に至るなど、非常に幅広く、充実した内容で、圧倒されるほどです。
常設展示はシェイクスピアの世界、逍遥記念室、民俗芸能、そして三階のフロアをフルに活用しての古代から現代までの日本の演劇の歴史を辿る試みは、多彩な資料や模型を活用して、見てわかりやすく面白い、体験性を重視した造りになっていて、作り上げられた別世界に迷う楽しさを味わえます。
一階では演劇関係資料の閲覧も出来、先達て亡くなったばかりの六世中村歌右衛門の特別展示室もあり、資料性も抜群なので、演劇に興味のあるものなら、いかずにすましてはならない重要スポットといえるでしょう。
今回訪れたときの企画展は、「演劇集団キャラメルボックスの15年」。キャラメルボックスについては浅学のため知らなかったのですが、早稲田出身者を中心に結成された演劇集団とのこと。衣装やポスター、プログラム、ビデオなどの資料が、キャラメルボックスという団体のキャラクターをじつによく表しており、もし仕事の予定がなかったなら、ビデオの前に釘付けにされて、ここから動けなかったかも知れないほど。
今までの芝居に関する興味に加え、新たな興味をわき起こさせる、演劇博物館。規模も手ごろで充実。おすすめです。
早稲田大学学食は、大隈会館の裏、大隈ガーデンハウス二階三階にあります。カフェテリアと書いてあるものの、その学生数に対応するためか規模はかなり大きくメニューも豊富でした。
一品ものから定食までいろいろ取りそろえてあり、まあ学食なわけですからリーズナブルな値段が魅力。今回は、そんななかから大隈ランチをいただきました。
大隈ランチは、大皿にご飯、キャベツの千切り、肉と玉ねぎの煮物、鶏の唐揚げ、ちょっといけてないスパゲッティが盛りつけられ、量も充分。味噌汁まで付いて四百八十円です。
このメニューがどう大隈なのかわからないのですが、早稲田がいうのですからそうなのでしょう。鶏の唐揚げはじつに鶏の唐揚げらしい味、スパゲッティは言わずもがなですが、どちらかといえば地味な色彩の肉と玉ねぎの煮物が甘辛くよく味が付いていて、意外と(といえば失礼ですが)おいしく、かなり得した気分になれました。
けれど、キャベツの千切りはいただけない。紙を食べてるかのごとく味が抜けていて、ぱさぱさとして食べづらいもの。こればっかりはいつも使わないドレッシングなどかけてしまいました。けれど、これは量をさばく食堂などでは仕方がないのかも知れません。
関東では有名なチェーン店なのでしょうか。関西から出たばかりなのでそのへんはわかりませんが、鰻や鰍を扱っている店のよう。夕食を食べに、いってみました。
鰻丼と鰍の柳川を頼んでみると、鰻は東京の白焼きにしてからたれを付け焼きにする焼き方のためか、表面はぱりっと香ばしく中は脂がしっかりとのって、重労働の後ということもあってじつにおいしくいただけました。味付けは濃いめに感じたものの、辛いということもなく、疲れた身体にはちょうどいい味付けでした。
鰍の柳川は、鰻と一緒に食べると、鰍の淡泊さがこってりとした鰻に負けて、ちょっと残念だったかも。けれど、鰍は子持ちで、ちゃんと味ものっておいしかったです。ビールによくあうという感じ。
じつに大衆食堂色の強い店ですが、それだけのものは食べさせます。値段も手ごろなので、豪勢な食事に期待しないのならおすすめです。
旅館検索サイト、ベストリザーブで調べたのがこの旅館。値段重視で決めた宿代は破格の二千五百円。お金をかけたくない向きには最適の価格設定です。
とはいえ、この福田屋が特別に安いというわけではなく、この南千住界隈には三畳二千五百円の宿が集まっており、そのせいかバックパッカーなどがちらほら見受けられます。
設備は、必要なものは全部そろって、値段の安さもあるため文句は出ません。一人旅なら三畳部屋でも充分すぎるほどの広さだし、部屋にはテレビも冷蔵庫もあって至れり尽くせり。コンセントもついています。風呂、トイレは共同ですが別に問題はないだろうし、給湯設備もあるので、食事をコンビニで軽く済ませたい人も満足でしょう。
南千住という位置は、上野から常磐線に乗り換えて数駅という都心の近さであり、ホテル近くのバス停からは東京駅行きのバスも走るという好ロケーションです。
ただ、モジュラーコネクタはないうえ、グレーの電話も最寄り駅そばまでいかないと見当たらないため、携帯を使わないモバイルユーザーには使い勝手の悪い部分もあります。しかし、ネットに一日や二日接続しなかったからといって死ぬわけでもないので、値段から考えるとこれで充分でしょう。仕事の関係やその他の理由で、どうしてもネット接続環境が必要という人は、携帯電話を導入するか別の宿を探されることをお勧めします。