この一二ヶ月、どうも体調が悪い日が続いていて、微熱がだらだらと出たり、そう思えば平熱よりも下がってみたり、そういうままならない状況に憔悴しきっていた。子ども時分によく熱を出していたせいで微熱には耐性があるはずなんだけれど、この微熱続きには正直まいった。病院で検査したほうがいいと人からは忠告されていたが、なかなかそういう機会も持てなかったのが、ついに病院にいける運びとなった。というのも、連休中についにくたばってしまったためだ。ゴールデンウィークも後半にいたり、気力が尽きたのだろうか? でも、連休を延長して病院にいけるようになったのは、自分にとってはとてもいいことだ。物事はよいように考えていこう。
たびたび病院好きを公言している自分は、開業医よりも大病院をより好むという傾向がある。なので今回も大病院にいきたかったのだが、検査の結果をもらいにいくためにもう一日休むのはいやだったので、開業医にいくことにした。
病院には自転車でいく。自力で動ける程度には回復していて、無理すれば仕事にもいけたかも知れない。でも、ここで無理をして長引かせるのはいやだったのだ。病院につけば、そこはこじんまりとしながらも、年寄りを中心によくはやっていた。しかも感心させるのは、そこここに見られるバリアフリーの工夫だろう。段差がなく、手すりも要所要所にきちんと付けられていて、はやるのも分かる気がした。なにより、昔の病院風の暗さというのがなかった。明るく、清潔な感じがとてもよい。
問診は簡潔だった。具合をきかれ、胸に聴診器をあてられる。写真を撮って肺気腫といわれたことはないかと聞かれ、未だかつてないと答える。そして、このような微熱の状態が続いてもう長いことをいうと、肝臓に問題があるかも知れない、検査しておきましょう、ということに決まった。
さて、僕は病院は好きなのだが、検査は嫌いなのだ。レントゲンを撮るたびに被曝量について考えてしまうし、特に採血が駄目だ。いってもあんなに細い針だ、刺さったところでたいした痛みではないことは頭が承知している。しかし気持ちの方はといえば、恐怖が後押しするために、まるで首でも切り落とされるかというくらいの痛みを思ってしまい、こればかりはどうしようもないのだ。
親指をぎゅっと握ってくださいねといわれ、駆血帯がまかれる。浮かび上がった静脈。看護婦さんはその様子を指で確かめると、アルコールで消毒し、針を突き立てる。
恐ろしいのはこの針が腕に刺さるその時までなので、刺さってしまえばもう問題はない。けれど、力を抜いてくださいね、といわれても、簡単に手を開くことができない。身体がすっかり硬直してしまっているためだ。遠足はうちに帰るまでが遠足という。針が抜かれるまでは注射なのだ。
ともあれ、検査の結果は今週末には出るらしい。なにごともないといいなと、今からちょっと不安に思っている。