原付は確かに楽しい乗り物なのだが、どうも健康に悪そうでこいつで街中を走りまわってみようという気にはどうもなれない。健康に悪いというのは、ほら、あの排気ガスをまともに浴びるという原付ライダーの宿命というかで、バスの後ろについたりなんかするともう最悪。呼吸器が真っ黒になるんじゃないかと喫煙者の肺の写真だか標本だかが脳裏に浮かんで、そういう私だからきっと精神衛生上もよくない。
でも排ガスについて言うなら、バスのせいだけにはできない。
教習所での原付教習の風景。ずらりと無免許原付乗りが並んで教官の指示を待っている。エンジンをスタートさせて、じゃあひとりずつ走らせてみよう。ひとりずつ教官のいる向こう側へ走り去っていくのだが、この自分の番を待っているのが辛かった。
原付のアイドリングは想像以上に排気がひどい。自分が出した排ガスを自分で吸うというと一種自己責任っぽく感じるが、こんなのは自己責任とは言わない。走ってみると楽しいのに、止まると息苦しくて不愉快。この相反する感情が原付にはつきものと思うと、健康のため乗り過ぎには注意しましょう。馬鹿なことを思ってしまう。
自己排出ガスを避けるには走り続けていればよいのだが、世の中には信号や横断歩道というものがあるのでそういう訳にもいかない。だから私は止まったときにはエンジンを切ると決めている。そう、アイドリング・ストップだ。停車してエンジンを切るだけだから簡単。すぐキーを戻すとエンジンが復帰するので、一秒待ってキーを戻すのがコツだ。左ブレーキを握りしめ信号をにらみながら、発進直前にセルボタンを押し込めばいい。最近の原付はセルスターターがついてるから楽でいいね。昔は必死でキックスターターを踏んだような覚えがあるんだけど、セルスターターのおかげでアイドリング・ストップも現実的になった。
技術革新とは素晴らしい。この調子で燃料電池原付が早く出んかな。