はじめに断っておくが、私はにわかファンだ。阪神のどころか、野球に対してのにわかファンである。
阪神が優勝した。十八年ぶりの快挙、実にめでたいといえよう。前回優勝時に拉致されたカーネル・サンダースの呪いがかかっていると巷でささやかれた阪神の低迷は、今日にしてようやく雪がれたのである。阪神タイガース、リーグ優勝。次はどうぞ日本シリーズでの勝ちを目指してくれ。期待してるぞ星野監督。ところでなぜ私はにわかファンになってまで阪神を応援しているのだろうか。
実は私のにわかファン歴は結構長い。ここ数年、恒例のスタートダッシュを見守り、このまま勝ちが積み重なってくれればよいと思い続けてきた。理由は簡単だ。関西を生活圏にしている私にとって、阪神の好調は単純に周囲の好調を招いてくれる。阪神が勝っていれば人間関係が温和になる。馬鹿馬鹿しいことに思えるかも知れないが、日々平安をモットーに暮す私に阪神効果は重大な恩恵をもたらしてくれる。
そしてついに阪神がリーグ優勝を決めた。こりゃもうほぼ最大の効果が得られるといってもいい(最大は日本シリーズ優勝ね)。
聞けば、阪神の優勝は好景気をもたらすらしい。マスコミの異例な騒ぎぶりや首相のコメントも景気に対する阪神効果を期待してのことだ。当然私も期待している。前回優勝はバブル景気をもたらした。阪神の勝ち数に沿うが如く、景気は上り傾向に転じたという現実もあるではないか。だから景気よ、阪神リーグ優勝をともに飛躍して欲しい。いくらなんでも高校新卒就職倍率が五割というのは異常だ。この異常な現実を牽引するために、阪神は是非日本シリーズに勝利して欲しい。
実は大学の守衛さんが阪神ファンだった。業後に占いしてたら食堂が閉まる時間になっちゃって、守衛さんは追い出しにきたくせに全然追い立てもせず野球中継見てるの。僕のにわか野球ファンはここから始まった。実にいいかげんなもんさ。