煙草もやらない私だが、戦場に行けばきっとマリファナ派だ。映画プラトーンを見てそう思った。
この映画を私はDVDで見たのだが、さすがに最近のDVDだけあって特典が充実している。特典にもいろいろあるが、私が特に好きなのはDVDの優位性を生かした特典、音声解説である。プラトーンには二種類用意されていた。監督オリバー・ストーンと軍事アドバイザーデイル・ダイによるものである。
緻密にベトナム戦争が描かれているプラトーンの情報量は圧倒的だ。戦場を映す濃厚な描写。しかし当然戦争の経験など持たない私にとって、多くの情報は読み取られないままいきすぎてしまう。それを掬ってくれるのが音声解説であったわけだ。
理解できていなかったこと、見過ごしにしていたこと、あるいは誤解していたことはたくさんあって、なかでも誤解はたちが悪い。意味に気付かない場合、それは作品の浅い理解につながるだけであるが、誤解は理解を誤らせてしまう。まったく違う方向に進んでしまっているというのに、自分だけが自信たっぷりで分かったつもりになっている。それだけはなによりも避けたい。みっともないことであるし、作品にも失礼な態度である。
さて、私の誤解の中でも最も間抜けだった勘違いというのが、兵士たちが吸っていた煙草のことだった。私はあれがただの煙草だと思っていたのだが、そうではない。あれらはマリファナ煙草であったとのことだ。戦場でのストレスを紛らわせる手段として、マリファナやアルコールが使用されていた。デイル・ダイによれば、マリファナ派、アルコール派という二派閥があったらしく、聴く音楽も違った。それらは映画でもきっちりと表現されている。
アルコール派はカントリーを聴いていた。じゃあ、マリファナ派はなにかといえば、ジェファーソン・エアプレインのホワイト・ラビットだ。ああ、私この曲好きなんだよ。――そんなわけで、私はマリファナ派なのだ。