体脂肪率が一割を割っている私には冷房は大敵だ。体温が奪われ、声も出ないほどに衰弱してしまう。オフィスにはひざ掛けを用意して、カーディガンも持ち歩く私である。なんだかOLみたいじゃないか。
夏になればつらいのが電車。車内にはこれでもかと冷房が効いている。快調なのは乗りはじめの最初だけ。ほどなく寒さに打ち負けて、体調に変調を来すこともしばしばだ。しんどくなるくらいならまだましで、それどころではない悪い状況に陥る場合も。例えば今日、通勤の途上乗換駅でリタイアせざるを得なくなり、私は仕事を休んだ。そういえば一昨年も、この時期一日休むはめになったっけ。
冷房が苦手ならなにか備えをすればよいというんだろうが、そもそも私は腹巻きをして、カーディガンも着込んだのだ。それでも天井から首筋に吹きつける冷気には耐えようがなく、ワイシャツの襟を立ててしのごうとしたが駄目だった。
話に聞けば、最近の客車の冷房は完全自動化されていて、マニュアルで微調整するというのが無理だそうだ。温度調整の頼みはセンサーである。しかしセンサーは実際以上に車内を暑いと感じるのか、たいてい冷房車内は寒い(きっと暑がりが設計したのに違いない)。先日、仕事帰りの弱冷車が冷蔵庫みたいに冷やされていて、カーディガンで防御するも負けてしまいそうなほど。これで駄目ならオーバーコートでも持ち歩くほかないのかと打ちひしがれるほどに寒かった。弱冷車であれなら一般車両はどんなにか寒かったことだろう。
弱冷車でも寒く感じる私は、ほかの客車は強冷車とでもいいなおしたほうがいいんじゃないかと思っている。それで列車には強冷車と冷房車と弱冷車を用意して、そうなれば私は弱冷車に乗って、そうしたらきっと今日みたいな体調不良も少なくなるだろう。
けれど今は、本当の意味での弱冷車がないから、少しでもましなのを選って乗るしかない。不便でも体調には換えられない。