私らにとって音楽とはなんなんだろう(初期形)

 人に聞かれて困ることといえば、私にとっての音楽の位置づけ。日常、生活の中に音楽があるのは当たり前になっているから、ことさら好きだとか、愛してるとかいうような特別なものではなく、一日一時間とか二時間、休みともなるとそれ以上練習するようなことも、別段なんということもない普通のことで、だから、音楽がお好きなんですね、みたいにいわれても、まあそりゃそうではありますが……、と言葉を濁してしまいます。

 プロを目指してるんですかといわれれば、まあこれでお金を得られるようになれば嬉しいには違いないけど、私は演奏を金に替えられるということがすなわちプロであるとは露ほども思っていないので、だから別にプロになりたいわけではないのです。特に、テレビとかに出てる『アーチスト』ってやつになりたいわけではない。私は、私のする音楽がよりよいものになって欲しいと思っているだけで、違う言い方をすれば私は音楽そのものにより近づきたいというだけで、だから別にこれを職業にとか、これで一旗揚げてうんぬんとか、そういうことはちっとも思っていません。

 音楽で稼いでいるといえば、私の友人連中には演奏したり教えたりでお金を得ている人間は何人もいますし、それに私自身、過去そうしたことをしていましたしで、けれど多分そうした友人にあなたはプロですかって聞けば、プロではないって答えが返ってくるんじゃないかと思うんです。ちょうど昔の私がそう思っていたみたいに。

 私にとって音楽とは、特別ななにかでは決してなく、けれどだからといってこれが特別でないともいえない。そういう、私本人からしてもとらえにくいものなのであります。


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公開日:2005.06.07
最終更新日:2005.06.07
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