私はメールが苦手だ。受けるのは嫌いじゃないし、書くのにしたって決して嫌いじゃないのだけれど、いざ書くとなるとどうにも腰が重くって、なかなか書けずに置いたままにしたりして、こういうところは自分のだめなところの筆頭に挙げてもいいところだ。
書いたらいいねん。なんでも、思うところを書いたらいい。けれどそれがどうにもぎこちなくなるのはいったいどうしてなのだろう。昔は、それこそパソコン通信を使っていたころだとかインターネットにつなぎはじめたころだとか、その時分はまだもう少しましだった。いったいなにが変わったんだろうか。
なかなかメールを書かない原因には怠惰な性状が関係していて、けれどこれはしかたがない。メール書くにも時間がかかるし、――でもその割に毎日更新をしたりギターの練習したりしてるんだから、ずいぶん失礼な話だな。けれど、そうじゃないのだ。書く時間くらいはいくらでもひねり出すし、それくらいの余裕もあるはずなのに、それができない。多分、変なしがらみみたいなもんに捕らわれてしまって、それが一番悪いんだろう。
ちゃんと書かないかんと、そういう意識が強くなりすぎたのが原因だ。とにかく思うところを、相手に伝わるくらいに整理しながら書けばいいことを、これは失礼にあたるんじゃないかとか、もっと言葉を尽くすべきなんじゃないかとか、そういういらんことを考えるからなかなか書けなくなる。もっとだな、思うところを思ったままに書きゃあいいんだよ、とは理屈ではわかっているんだけれど、実際書くとなるとううっとなってとまってしまう。無理して書くと四角四面になるから、つまらない。いかんよ、いかんよねえ。
これは性質のものだから、しかたないことだと思う。ただこうした対人恐怖症的八方美人はあらためるべきことだと思う。大事なメールほど四角四面になる。遅れて出すものだから、四角四面はいっそう強くなる。まったく悪循環だ。