本屋にいった帰り道、背を叩かれて振り返るとそこには大学絡みの知人。遅いけれども新年会でもどうかと食事に誘われ、誘われるままについていった。
適当な洋食屋に入って、ところでタロットは持っているかと聞かれたのだが、実は私はタロットを常に携帯していて、だから持っていると返答。しかし占うのはずいぶん久しぶりのことである。何年ぶりといってもいいかも知れない。最後に占ったのはいつだったろうか、思い出せないくらいに占いから離れている。
食事がすみ、そして占いをすることとなった。出た目がわかりやすいものだとありがたいが、そんなに簡単にはいかない。一度目の占いは、なんとか読めたという感じだった。二度目の占いは少しよくなったと思う。しかし、問題は三度目の占いで、これは本当に骨が折れた。全体を象徴するカードとして世界が出ていた。私はこれだけをもってよしと考えたが、しかし他のカード、――特にこれからを示す位置が難しい。杖の十に剣の十。心身ともに苦労がともなうでしょうとしか言い様がなかった。しかし環境を表す位置には吊られた男があり、そして最後には世界があるのだから、苦労を超えた先に得られるものがあるはずだと思った。苦労はきっと並大抵ではないだろうが、その分得られるものは大きい。ハイリターンの生き方が垣間見えたように思った。
今日の占いでは大きなカードがたくさん出て、おそらくそれだけの可能性、人生における揺れ幅の広さがあるのだろう。生きるというのは難しく、小さくまとまることもありではあろうが、それでは物足りないという人間もいる。今日集まった人たちは、おそらく自分も含めて、そうした傾向にあるものばかりだったのではないだろうか。
これをついでと、自分についても占ってみた。ワンオラクル。出た目は杖の二番だった。ただし逆位置。あながち間違いではないと感じた。まだ展望は開けていない。なにもかもこれからなのだ。