私はどうにも人嫌いにできていて、人間は好きなのだけれど、関わりたいと思う気持ちもあるのだけれども、それと同じだけの強さで持って、人間を忌避したいという気持ちも持っていて、折りにそうした気質があらわれてきて困る。いや、困るというのは世間体を繕うために口先だけでいっている。実はちっとも困ってなんかいない。それはそれでかまわないと思っている。
立つ鳥跡を濁さずというけれども、立つ立たないは別にして、突然に周辺を整理したく思う気持ちが起こって、それはここ数日来特に強くなってきていて、そうさね、中島みゆきが人を捨てるなら九月って歌っていたけれども、私は九月に限らず年がら年中捨てたいと思っている。もちろん誰でも彼でも構わず捨てたいというわけではなく、けど特定の誰かを捨てたいというわけではなく、逆だ、私がある一定のコミュニティから捨てられたいと思っている。離脱したいという意識が強く強くなってきている。
思えばこういう風にして、職場を変えてきたのかも知れないね。私は突然にやめたくなって、別に喧嘩したわけでもなんでもないのに、以前から思っていたんですが……、と切り出してやめてしまう。実は大嘘で、思いついたのはその日の朝だったりして、まあ私はこういう人間だからいつでもやめられるような気分で働いてきて、いけないね。といいながら、やっぱりいけないとは思っていない。根を下ろせないタイプの人間もいるのだ。
一応ことわっておくけど、今の職場は結構円満だし、自分を必要としてももらっているし、それに加えて、自分のこうした人嫌いを理解してもらえているからありがたい。今しばらくは仕事を変える予定はなくて、だから潮時というのは別の話。まあ、心配してくれるでないよ。
(初出:2006年6月13日)