一部では健啖として知られた私の、今日のランチを公開しよう。
梅田の地下街、ホワイティを歩いているときに、いつもその前で足をとめる店があったのです。それはピザとパスタの店で、入り口脇には美味しそうなピザの見本が! 食べてみたいものだなあと通るたんびに思ってた。そもそも炭水化物系の食事が好きで、その上ここを通りがかるのが昼前後ということもあって、それで今日は朝食を食べそこねていたものだから、ちょうどいいや、昼食をここでとろうと決めたのでした。
頼んだものは以下の四品:
正直、こうしてアルコールを飲むというのはどれくらいぶりだろうと思うくらいに、最近は酒を飲んでいません。正月に口にしたのが最後なんじゃないかなあ。以前はよく飲んでいたんですけどね、ギターを弾くようになってから、酒は控えているのです。それに、実際酒はそれほど人生には必要ないものだと思いますし。
けど、今日は頼みました。やっぱりイタリアメニューとなればワインは外せないよなってなことで。そして久しぶりに飲んで、ああ美味しいとは思わなかったけれど、料理にはいいよね。そも今日はあっさりとした感じのパスタだから白を選んで、ちょっと昼から贅沢気分でした。
で、前菜はジェノベーゼ。正確にはペスト・ジェノベーゼといったかと思いますが、ジェノバ風ペーストのスパゲッティ。バジルをすりつぶしたソースを絡めて食べるスパゲッティです。
基本的に私はシソであるとか、味のきついないしは匂いのきつい葉っぱは好きじゃないのですが、どうもバジルに関しては別のようです。バジルはシソ科の植物なのですが、なぜそれが平気なのかはわかりません。
バジルソースは、口にするとバジルの香味がぱっと広がって、印象が鮮烈です。オリーブオイルやパルミジャーノチーズとあわせるからか、バジルの味の強さが緩和されて、またこれらの味わいがねっとりとパスタにからんで、あっさりはしているけど実のところはこってり系という、対照的な味覚が同居しているソースです。
バジルはこれからが旬なので、食べるならまさしく今でしょう。
そして、メインのピザがやってきました。生地にトマトソースを広げ、トマト、チーズ、刻みバジルを散らした、シンプルでオーソドックスなピザです。食べてみての感想。ここのピザは生地が薄く、耳はぱりっとしているからすごく食感がよかったです。もしボリュームのある生地だったら、食べきれなかったかも知れない。けれどこの生地なら、一枚くらい平気でいけますね。
このピザのいいところは、トマトもモッツァレラもすごくあっさりとしているから、ピザ本来の食感を邪魔しないところでしょう。うどんでいえば素うどん、そばでいえばかけないしは盛りにあたると思うのですが、真っ向からピザを食べているという感じがする組み合わせです。
ピザを食べているというのはどういう感じかというと、ぐいぐいと炭水化物がのどを通って、腑に落ちるというそういう感触です。食べる、トマトの酸味とモッツァレラの過度に主張しない味わいがピザのベースを損なわず、ともに飲み込まれていくという快楽。やっぱ、これですよ。シンプルが一番なんだと思いました。
ところでどうでもいい話なんですが、ピザってどうにもこうにもきれいに食べられないのですが、手はべたべたになるし、食べるときもなんか一生懸命な感じというかがつがつした感じというかそんな風になって、なんかエレガントじゃない。どうしたらきれいに食べられるものなんでしょうか。ちょっと研究が必要そうです。
そしてこれらすべてをぺろりといって、最後の締めはエスプレッソで決まりです。すごくストロングなコーヒー。イタリア人はこれに砂糖をうんと入れて飲むらしいですが、正直私にはそれは非常に厳しい。なので、ストレートで飲むのですが、苦味がパスタとピザのこってりとした後味を洗い流すようで、しゃんとした気分になれる。そんな飲み物がエスプレッソだと思います。
実際、エスプレッソというかコーヒーには胃の活動を活発にする効能があるらしく、こうしてたんと食べた後にはコーヒーを飲んで、胃の調子を整えるのがいいのでしょう。実際、相性もいいと思います。
トータルでおよそ2500円と、私の昼食にはあり得ない額を払っていますが、けれどそれくらい払っても別に悪くないと思える食事でした。いつもいつもは無理だけど、たまにはこういう食事もいいよねと思いますが、パスタにピザを一人で食べるのは正直ちょっときつかった。以前なら、平気だったんだけどなあ。
そんなわけで、今度は誰かときたいと思います。
あ、店の名前は、Miami Gardenです。場所はちょっと口ではいえない。梅田の地下は迷宮ですから。